小人閑居して不善をなす(不善の後には上善が)


(今期の初アマゴ)


 今年は解禁してからも、雪の影響もあってろくに入渓できず、ようやくコンスタントに渓にでかけられると思ったら、今月は撮影や取材が入り、プライベートの釣行は本当に少ししかなかった。
 たとえ仕事であれ入渓できることはありがたいのだが、やはり諸々のプレッシャーがかかっての釣りとなるため、純粋に楽しめるかといえばそうではない。



 そこで、本日は生業先が休みだということもあり、久々のプライベートの釣りを、1日ゆっくり楽しんできた。



 プライベートででかけるので、もちろん水と景色の綺麗な小渓流にでかけることにした。吉田毛鉤会メンバーの秋山郷のUさんにお付き合いいただき、山梨県まで足を伸ばしての入渓となった。



 今回の私的目標は、これらの『不善な道具たち』を使って、1尾でいいので魚を釣るというものであった。
 まさに、テンカラ「不全な道具で1尾釣るまで!塾。」である。
 『自作グリップの竿』『自作グリップのネット』『自作の毛バリ箱(もちろん毛バリも)』『自作の馬素(テーパーライン)』この4種の私的神器を使って魚を釣り、せっかくのプライベート釣行、究極に自己満足度を高めようという魂胆である。


(Uさん)

 先ずは林道歩きから開始だ。行きは4キロ帰りは5キロ、8キロの重さの荷物を背負い、沢の遡行も含めると1日でトータル10キロを歩いたのだが、ダイエットしている私には実に具合がよい。魚を釣りたいのでいくらでも歩けるため、まさに一石二鳥である。


(こちらもUさん)


(そして私・Uさん撮影)

 朝のうちは水生昆虫の飛翔も見られず、毛バリを沈める釣りに終始したのだが、不善のたまものともいうべき魚が釣れてくれたのである。


(不善の後の上善イワナ)


(毛バリは現代版ハチガシラ)


(毛バリからハリス、馬素から竿、竿から手へとズシンとした感触が)

 のんびりとしたプライベートの釣りで、自分で手をかけた道具で、綺麗な支流、しかも好みの藪っかぶりの場所で、これまた大好きなイワナを釣る。ずっしりとしたその体躯、小渓流にしては満足のいくサイズでもあった。




 ランチタイムはYOSHIDA'S CAFEならぬ『リストランテYOSHIDA』を開店。いやいやトラットリアだ。本日のメヌ(メニュー)は、アルコールストーブで作る『アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノのパスタ』を。やはり渓でいただく食べ物は美味い。

 ここ最近、釣果やサイズにこだわらず、道具作りや美しい渓での食事などの付加価値も楽しむ、『スローなテンカラ』がマイブームとなっている。そんな私にはかけがえのない、ありがたい一日となった。




 教室、取材、撮影と、他人の釣りの面倒ばかり見ている私を見て、天から(テンカラ)の素晴らしい贈り物をいただけた一日。そう思って今夜は満足して眠りに就くことができると思う。

(Uさん、自宅までの送迎に入渓の案内までさせてしまい恐縮です。そして楽しい一日をありがとうございました)


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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スローなテンカラにしてくれ

 1980年頃『スローなブギにしてくれ』という、片岡義男原作で映画化されたストーリーがあった。
 『I WANT YOU 俺の肩を抱きしめてくれ♪』という南佳孝の歌もよく流れていたと思う。




 仕事でおこなうテンカラは、編集者やカメラマンというそれを生業(なりわい)としている人と共同作業になることが多く、こちらにも責任ということが発生する。しかも釣況に合わせてスケジュールを組めることなど本当にまれで、あげく朝から晩までなんとかしていい魚を釣る努力をし、OKがでるまで竿を振り続けなければならない。それが渓流ならまだいいほうで、過去に月刊つり人に連載していた『毛鉤異魚種行脚』の取材のときなどは、海から池までそれこそ一晩中竿を振り続けることが何度もあった。



 そこで今日のブログタイトルになるが、私がプライベートで釣りにいくときには、そんなスローなテンカラを求めてしまうのである。
 生業に始まる日常の生活、そして家族に振り回される数々のことがら、これらのことから溜まり込んでくるストレスは酒を飲んだくらいでは単なる一時しのぎで、スッキリと治まるものではない。しかし、美しい渓に入り、そのまま飲めるような清冽な水の流れの傍にいると心から癒されるのだ。
 
 釣りをやっている以上、当然のことながら魚が釣れるほうがよい。魚も大きいほうが嬉しい。しかし私の場合、せっかく日常生活の多忙な時間の中どうにか時間を作って釣りにでかけることになるので、数釣りや型ねらいの釣りに執着するとクタクタに疲れてしまうのである。そこでプライベートの釣りでは自分の一番の目的でもある『渓に癒される』ということを第一義にしたいのである。
 頑張って釣るのは仕事の釣りだ。それはそれでやりがいがあるし上手くいったときの達成感もある。取材や教室で釣りをするのは遊びの釣りではない。自分なりだが真剣にやっている。しかしプライベートの釣りは遊びの釣りだ。私は仕事の釣りと遊びの釣りは分けて考えている。というか考えたい。もちろん魚を釣る行為が楽しいので、癒しの釣りの時間でもあれこれとやるのだが、純粋に楽しみとしての釣りがやりたいのだ。






 ということで本日は癒しの釣り、スローなテンカラにでかけてきた。先日の飲みでの会話にも上がったスローなテンカラ。魚を釣ることだけでなく、美しい渓を愛で、景色や魚の写真を撮影したり、ゆっくりと料理をしたりして過ごす。魚のみが目的になってしまうと釣れないとイライラしてストレスがたまる、しかしそれがないからストレスがたまらない。自己満足の極地でもある自分で手を加えた道具を携え、今日は志を同じくする吉田毛鉤会メンバー、いつもうたげのTさんとご一緒だったこともあり、午前5時から午後2時まで本当に渓でゆったりとすごすことができたのである。





 今日入渓した渓は標高も高く、まだまだ大きな雪渓もあり、雪崩の跡で杣道も渓そのものも荒れていた。しかし随所にマッタリと時の流れているようなところもあり、そんな場所では背中からザックを下し、のんびり景色を眺めたりコーヒーを飲んだり。そんなスローなテンカラにピッタリのアルコールストーブを持ち込み、ランチタイムには静かに火を起こしパスタを作った。







 何か所かにあるスノーブリッジのため、竿のだせる場所も少なかったのだが、ゆっくりしたペースで2人で交互に竿をだし、何尾かの魚に遊んでもらった。



 今日は天気もよく、時折射し込むレンブラント光線に心を奪われ、キラキラと光る水面(みなも)に目を奪われ、自分自身が渓に溶け込んだような一日だった。流れ去ったストレスと心地よい疲れ。これで明日からの1週間、日常生活を乗り切るための充電ができたようだ。そんなわけで今夜は渓と魚と大自然に、感謝の気持ちでいっぱいである。







いつもうたげのTさん、本日はおつきあいありがとうございました。
またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。



吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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本日は仕事で撮影に


(カワイイヤマメ)

 数日前、釣り場の写真を頼まれたので(釣れれば魚の写真も)、今日は生業先に休暇を提出し入渓してきた。時はゴールデンウイーク、連日入渓者の多い激戦区でもあり、釣れる保証もないので魚の写真撮影はあきらめ気味にでかけてきた。


(Uさん撮影)

 昨日のこと、その話をしたら秋山郷のUさんにご一緒いただけることになり、入退渓は楽な場所でもないため、ありがたくご協力いただくことにした。途中で入漁券を購入し車を停めたのが午前7時半。先行者と思われる車もあったが、準備をしてけっこう急な尾根を恐る恐る下っていく。


(天気晴朗なれど魚少なし)

 入渓後は周囲の風景を撮影しながら釣り上がった。さすがにGW、しかも激戦区なので走るチビすら見ることができない。まあ撮影メインということで魚は二の次と自分を納得させながら釣り上がっていった(納得できないが)。そして入渓してから2時間以上1尾の魚も釣ることができなかった。その頃には集中力が切れ、足元への注意がおろそかになったのかプチ転倒をしてしまった。その拍子に今日おろしたばかりの竿『天空テンカラSE34』の穂先を折ってしまった。


(新調したUさんの靴「オジサンには派手だなぁ」といいながらもまんざらではないようだ)

 魚は釣れずに竿は折れる。集中力の切れたまま遡行を続けると大怪我でもしかねないので、仕掛けを作り直しながら持参した菓子パンを食べ、気持ちをリセットした。その頃になると渓には数多くの虫が飛び始め、メマトイ(極小の昆虫・目にまとわり付く)などが鬱陶しいほどになってきた。


(こちらもUさんが私の撮影中に撮影をしてくれた)

 リセット後、虫の飛び始めた影響もあり、いくらか走る小さい魚も目に付くようになってきた。すると対岸の岩盤沿いでヤマメが顔を出してくれた。その後魚の撮影をして、ようやっとひと息つくことができた。


(味噌汁ごちそうさまでした)

 私が撮影している間、Uさんがお湯を沸かし味噌汁を入れてくれた。ありがたい。そしてなにより美味しい。渓でいただく味噌汁を経験していないひとはぜひとも経験して欲しい。コーヒー紅茶もいいが、味噌汁と汁粉はそれ以上に美味しく感じるときがある。


(Uさんにもヒット)

 その直後にUさんもイワナを釣る。状況のよくない中、2人とも魚を釣ることができ、取りあえずホッとした。その後私もイワナを釣り、今日はトラウトカントリーに顔をだすことになっていたので納竿し、そそくさと退渓した。


(高度差があるので退渓も大変である・Uさん撮影)

 1時間後、TOKYOトラウトカントリーに顔をだす。


(いさおさん、肉体改造してかなりウエイトをしぼりました)


(Hさん、ホントにおひさしぶりです)


(ぺたうろさんも渓で癒されてきたのでしょう)

 今日は帰省中の当会メンバー、人間岩魚のいさおさんとお会いする約束があったのだ。午後2時過ぎに到着すると、いさおさんだけでなく、もうひとり(本当に)ひさしぶりの東大和のHさんにもお会いすることができた。おふたりの他にはキングM男君カップルも来場しており、みなさんと情報交換したり懐かしい話などをして過ごした。


(これはカップルではない)


(これもカップルではない)


(こちらが正しいカップルの図)

 しばらくすると付近の沢に入っていたぺたうろさんも来場になり、みなさんと談笑してから私とUさんは帰途についた。


(私の釣ったカワイイイワナ・釣ったというより釣れちゃった)

 Uさん、本日は送り迎えまでしていただきまして、まことにありがとうございました。またよろしくお願いいたします。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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沢テンカラプライベートレッスン

水温5度、気温4℃、天気は全部(曇り時々雨時々雪時々晴れ)。


(昨夜の雪で)

 そんな状況の中、本日は吉田毛鉤会メンバーの川越のMKさんと『沢テンカラプライベートレッスン』を兼ねての入渓となった。


(沢テンの装備はおろそかにできない)

 昨夜の雪で冠雪となった奥多摩の山。低い気温でなかなか融けない雪に恐怖を感じつつ、万全の装備で午前6時半に歩きだした。


(今回の生徒はMKさん)

 先週から比べると多少は融けたようだが、標高700メートルを超えるとそこかしこにこんな状態で雪が残っている。


(厚さ数メートルのスノーブリッジ)

 厚さ数メートルにもあるスノーブリッジもあるが、この場所は過去にスノーブリッジが落ちて亡くなった方がいた場所だそうだ。途中、危険箇所に警告の看板を設置にしにきていたレスキュー隊の方に教えてもらった。本当に注意して入渓しないとならない。


(渓はまだまだ雪で埋まり)

 登山道から見て歩くが、沢筋は雪で埋まっているし、登山道も荒れている場所が多い。


(講習中の一尾)

 そんな中、安全な区間をレクチャーしながら釣り上がり、本日の私も無事に在来美魚と出会うことができた。


(MKさんもサイトフィッシングで頑張っている)

 本当に真面目なMKさん。レクチャーを真剣に聞いていただき、その後に実践していた。


(まだまだ沢通し歩ける場所は少ない)

少しの区間釣り上がるとスノーブリッジで行き止まりになる。大きく巻いて次に下りるの繰り返し。禁漁期のダレた生活で、なまった足腰にけっこうこたえる。


(私はバルトロクッカーにアルコールストーブを使用して)

 沢、特に奥多摩のような激戦区の支流での釣りには、やはりそれなりの釣り方というものがあり、本日のレッスンではそのひとつひとつの理由を説明しながら、実際の釣りをご覧いただいた。


(MKさんもコーヒーブレイク)

 なにゆえにストーキングが重要なのか。
 どうしてこの竿でこのラインなのか。
 仕掛けの長さはどうしてそうなるのか。
 この季節に表層勝負する理由はなにか。
 R17-3FTの優位性の理由とは。
 シーズンによるポイントの攻め方。
 点と線の釣りの使い分けとは。
 写真撮影の意味とコーヒーブレイクの意味。
 そしてザックからウエア、湯沸し道具から細かい釣り道具のひとつひとつを、どれだけ細部まで考えを持って準備しているのかということを、まさに実際の釣りに生かしている場面を見ていただいて、ご理解いただくことができたと思っている。
 こればかりは座学だけではどうしても伝えきれないことなので、私としても今日は実に有意義な時間を過ごすことができた。


(満面の笑み)

 午前中2時間ほど私の釣りをご覧いただいた後、MKさんに釣り上がっていただいたのだが、なかなか答えが見いだせなかった。しかし最後の最後でいわれたことをしっかりと実践し、カワイイサイズながらもキッチリ結果をだすことができたMKさん。
 満面の笑みが今日の釣りの全てを物語っていると思う。 
 そんな沢テンだが、キープ派の数釣りや成魚放流の大物狙いの方などには全く理解できない世界であろう。沢を愛し、渓に浸透することに喜びを感じ、小さくてもよい、一尾でもよい、美しい在来の魚を愛でる気持ちの無い方には無縁の世界だと思っている。

 本日お付き合いいただいたMKさん。実に楽しいひとときをありがとうございました。
またご一緒いたしましょう。


(誰のだ?)

 これは入渓時に見つけた手袋。どこかで見覚えがあるのだが、持ち主は行方不明になどなってはいないだろうか(笑)。
 綺麗に洗濯しておきましたので、お心あたりの方はコメントにでも(大笑)。
 

吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝



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渓に春・心に春


(在来美魚に今年初の挨拶をして、ていねいにリリースした)

 私のホーム(リバー)でもある奥多摩の渓。解禁から約1ヶ月、ようやっと入渓することができた。実は昨日今日と所用がガッチリと入っていたのだが、本日TTCで開催されたイベントにどうしても顔を出したかったこともあり、スケジュールの調整をして、半分は仕事なのだが2時間程だったが入渓することができた。


(安易には入渓できない)

 例年解禁時に入る場所。事前に調査に入った吉田毛鉤会のメンバーからも聞いていたが、聞きしにまさる状況である。残雪、しかもスノーブリッジになっている場所がそこかしこにあり、いつも入渓している場所だからよいようなものの、初めての場所であれば尻込みしてしまうような状況であった。たった2時間の入渓であれ真冬と同じような状態の沢を見て、ヘルメットにツェルトにロープなどの通常装備だけでなく、防寒着も含めたフル装備に近い準備をして川へと下り立つことにした。


(赤ちゃんヤマメ、ハリががりしてゴメン)

 川の様子を見ながら実際に竿をだせたのは1時間半くらいだったが、今年初の在来のヤマメに会うことができた。こんな赤ちゃんヤマメもハリががりしてしまったが、しばらく入渓できずにクサッていた私の心にも、ようやっと春到来である。


(新しいザックとジャケットで)

半分仕事の釣りの後はTTCのイベントに。楽しいイベントが無事終了してからは、久しぶりの美渓の美魚に出会えたことを思いだし、ニヤニヤしながら帰途についた。(イベントの様子は明日のブログで紹介する予定)


(3バイトあったが、全て浮かせる毛バリだった)

それにしても今年の雪は本当に凄かったのだなと思い知らされる入渓であった。春が来たとはいえ、入渓にはくれぐれも注意をしたいとあらためて思う釣行であった。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝



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