「上はサラサラ下はヌルヌルってな〜に」
なぞなぞではなく、今年の奥多摩の渓のことだ。
土曜日の釣行時のこと、例年入渓している場所へ仲間と出かけたのだが、入渓路が崩落していた。
カラカラに乾いている奥多摩の山々は、どこも登山道の崩れが多いようで、その崩れた跡は乾いた土や砂がむき出しになっていて、靴底で蹴り込んでステップを切ることもできないような、まさにアリジゴクの巣のようなサラサラの状態になっている。
渓は渓で今年は茶苔が多く、例年通れるゴルジュが、あまりにも滑ってステップが取れなくて抜けられなかったり、何でもないところでツル〜っと滑って転んだりする。
通常の山歩きでも危険は付きものだが、私たちのように釣りを目的として山岳渓流に入るとなると、メジャーな登山道のように沢山の人に会うこともなく(人に会わない登山道もモチロンありますが)、一度何かあれば、次の釣行者や沢登りの人くらいにしか発見されることもないことになる。
里川や一般渓流ならいざしらず、山岳渓流は本当に心して出かけなければならない危険を孕んだ場所である。
そこで私たちは入山届(登山届・入渓届)を提出してから渓に入っているのだが、この届はその山塊のある各自治体のHP等から入手できるし、提出用のポストにも備え付けてある場合もある。
記入方法やフォームも法律で決められているわけではないし、記載する内容(登山者の情報、目的地、日時、日程、装備、食料等の情報)がキッチリと誰にでもわかるように書いてあれば良い。
届を出すことにより、事故や遭難に合った場合の捜索への大きな指標になる。
自分自身が1分1秒を争うような事態になったことを想像すれば、提出する理由は良く理解できるハズだ。
諸般の事情で届を提出できない場合でも、「いつ」「どこに」「どんなルートで」という情報は、家族や仲間にキッチリ伝えておくようにはしておきたい。
当吉田毛鉤会でも会員専用のサイトがあり、入退渓の情報は常にメンバーと共有するようにしている。
これも全ては「安全に釣行すること」を第一に考えているからである。
他にも緊急時に役に立つ持ち物に、持参する食料の考察もあるが、それはまた別の機会に書いてみたいと思う。
いずれにしても入退渓時、そして渓での釣行時は、1度のミスで命を失うようなこともある。
解禁してひと月、これからテンカラの盛期に向かうが、くれぐれも注意して入渓していただきたいと思っている。
吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝
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