シングルバーナーを新調

先日久しぶりにK日山荘瑞穂店に立ち寄り、吉田毛鉤会メンバーの御岳のHさんに今年初のご挨拶&情報交換&買い物をしてきた。



買い物はこれ。そう、アウトドア用のストーブである。
現在発売中の月刊つり人の記事にある「シングルバーナーを使用したレシピ」。この記事にもいくつかアドバイスさせていただき、私のいつもやっている簡単レシピをご紹介していただいたのだが、シングルバーナーはけっこう使う頻度が高いので、長年使用していたストーブのひとつにずいぶんとガタがきていた。そんなストーブをそろそろ引退させて、我が家の道具の殿堂に入ってもらうことにしたので、後継機種を購入してきた。



今まで使用していたのはイワタニ・プリムスの2243というバーナーである。日本で初めて発売した当初に購入したものなので、20年以上経過していると思う。ケースのほうが先に壊れ、それでも故障ひとつすることなく本当に信頼できる道具だった。しかし最近火力調整のツマミの付け根がグラグラしてきたので、安全のことも考え買い替えることにしたわけである。



通常日帰りの沢でのテンカラには、最軽量の115フェムトストーブを持っていくのだが、トーチの様に炎が上がるため、湯沸かし以外での料理になると、火の当たっている場所のみ焦げ付いたりするので、あくまで湯沸し専用という感じで使用している。

で、実際に車止めキャンプ等でそれっぽい料理まですることを考えると、やはり最低でも2243程度のストーブが必要になるわけで、今回は初めての購入になるが、ボンベとヘッドが別体式のものに手を出してみた。



スペックを見ると2243の253グラムより軽量の169グラム。115の56グラムとは用途が違うので比べるべくもないが、鍋やコッヘルを乗せた時の安定感もあり、料理という観点から考えると実に使いやすそうである。

吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝

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山と写真とテンカラと

昨日は公的な飲み会があった。仕事で飲む、といっても打ち合わせとかではなく、飲酒そのものが仕事になるという、ありがたいやら申し訳ないやらのお誘いを受けた。
普段はあまり思わないが、この時ほど「飲んべえに生まれて良かった」と思ったことはない(笑)。



その内容については2月に発売予定の『別冊渓流2014春号』に掲載される予定なので、詳しくはそちらをお読みいただくとして、今回ご一緒させていただいたメンバーは、山岳ガイドでもあり著書も多い、「ろうまん山房」の高桑信一さんと、毎月月刊つり人の表紙の撮影をしていらっしゃる津留崎健さんだ。

山の世界では有名な高桑さんと、写真の世界では有名な津留崎さん。この著名なお二方に混ぜていただいた著名ではないテンカラ師の私。声を掛けていただいたのはありがたいが、なんともお恥ずかしく、飲み始めてもなにやら落ち着かなかった。
しかし酒がいくらか回ってくれば、失礼ながら酒を酌み交わし話も進むというような状況になり、お二人の人柄に触れることもでき、エキスパートならではの目線からの色々なお話しを伺うことができて本当にありがたい時間を共有させていただくことができた。

こういった場にお呼びいただけたこと。感謝感謝である。

そして先日のブログで紹介した毛バリは、実は今回初めてお会いするお二人に名刺変わりに差し上げようと思い巻いた毛バリだった。



その道のエキスパート、その中でもメディアで活躍されている方とお話しすると、どうしてそうなのかが理解できる。今回、あらためて自分自身の立ち位置を考えるきっかけにもなった。私もまだまだこれから先頑頑張らねば。

吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝

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私の中のゼンマイ胴剣羽根の位置

今日は久しぶりに暖かさを感じるような日中だったこともあり、帰宅後は冷たい飲み物(もちろんアルコール)を飲もうと思ったのだが止めた。

ここのところメンタルストレス続きで、外飲み家飲みを問わず夜毎の飲酒も続いていたし、明日は「公的飲酒」(笑)の予定が入っているため、本日は休肝日とすることにした。

で、今宵はそんな公的飲酒の場の手土産にしようと、ゼンマイ胴剣羽根を巻くことに。




統計を取ったわけではないが、昨年の渓で結果的に一番多くの魚を釣ったのが剣羽根の毛バリかも知れない。他の毛バリで魚が出ない時間が続き、その後にこの毛バリに変えたとたんに釣れたということがけっこうあったため、実際の釣果よりも、より一層印象が強かったからかも知れない。
それはさておき、いずれにしても私の渓でのテンカラの毛バリのラインナップの中では、色とサイズは各種あれど、中心的存在の毛バリであるといえよう。

ここ最近の私的毛バリのラインナップでは、表層勝負の「パラシュート」と「カディス」。
水面から水面直下の「剣羽根」と、同じレンジで目先を変えるための「ハチガシラ」。
中層から底釣りに使う伝承系の「ソフトハックル」と同タイプの「BH」で構成されている。
もちろんどうにもならない時に使用するミッジ系とニンフ系、それと主にカンツリで使用するウーリーバガーなどは別のケースに入れて持参している。

ライズしている魚や浮いている魚は水中に目がいかない
底近くで動かない魚は口元に毛バリを持っていかないと釣れない
流れのある場所とない場所で同じ毛バリを使っていては思うような釣果につながらない

この辺りが私の持論かつ押しどころでもあり、上記のような魚を全て釣りたいと思う方向性でテンカラをおこなう私の場合は「毛バリのローテーション」というものが必要不可欠になってくるのである。毛バリだけでなく竿もラインもハリスの材質さえも、釣り場や魚に応じて臨機応変に変え、それを楽しんでいるのが私のテンカラである。

ということで話を剣羽根に戻すが、そんなあれやこれやの釣りをしている私の場合でも、やはりこの剣羽根という素材に対し、そしてそれを使用して作った毛バリを自分の好きな山岳渓流という場所において使用したその実績からか、やはりこの毛バリは信頼度ナンバーワンとなっているのである。

いつの頃からこの素材が毛バリ作りに取り上げられたのかわからないが、ひとりの人間があれこれやっていることなど全くといっていいほど足元にも及ばない「先人の知恵」や「伝承」ということ。この毛バリを相当数作って、何度となく使い何度もその安定した効果を体感した時に、心の底からそれを凄いなと実感として感じることができたわけだ。

インストラクターという立ち位置では、こういったことを聞きかじりのネタや受け売りだけで話しても説得力はゼロだし、相手には伝わらないことがよくわかっている。だからこそこのような思い入れのある毛バリを、堂々と他人様に贈呈することができるのである。

ひとそれぞれ、釣り方に釣り場は違うので一概に語ることはできないが、私にとって、私の好きなフィールドにおいて、この剣羽根の毛バリには本当に何度も助けてもらっている毛バリである。そんな毛バリなのでついついブログ書きにも熱が入ってしまった。この続きは明日の公的飲酒で語らせていただくとして、今夜のブログはこの辺で〆させていただこうと思う。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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ウイングパラシュート(改)

パラシュートの毛バリは視認性が良い。流速のあるところでも安定した姿勢を保つ。流れの緩い場所でもそのシルエットからか魚の出も良く、ハリのフトコロとハリ先が水面下にあるからか、下から突き上げるように出る魚にもフッキングが良い。
と、私的には浮いている魚や表層を意識した魚が多い時には、かなりな頻度で登場願う毛バリである。



通常私はこのパラシュートの毛バリを作る際に、ポストはエアロドライウイングで作ることが多いのだが、よりシルエットを効かせたい時にウイング材を使ってポストにすることがある。
ただしこのウイング、よくあるクイルウイングを使うと割れてしまったりして作るのがけっこう大変だったりする。



そこでモルフォファイバーなど、化繊のウイング材を使って作ってみると、作りやすいだけでなく耐久性も増すので具合がよいようだ。 

今回はオジサン達の悩みのタネである、アイにハリスが通し辛いということを考慮して、自製のアイを付けてみた。ボディはライトケイヒルカラー6/0のスレッドに、金糸でリブ模様を付けてみた。



春のヤマメに合わせて巻いたこの毛バリ。

後一ヶ月とちょっとでホームの奥多摩も解禁になるが、こんな毛バリを巻いてしまい、待ち通しさに拍車がかかってしまう今宵であった・・・。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝
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2月のテンカラ関連教室の開催日は
8日(土)テンカラ教室(第50回)
23日(日)毛バリ研究会(第39回)
となっております
お申込みはTOKYOトラウトカントリーまで
みなさまのご参加をお待ちしております

*2月から、お申込みの窓口はTOKYOトラウトカントリーで一括受付とすることになりました。今後ともよろしくお願いいたします。
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第38回毛バリ研究会


奥多摩の川の畔で毛バリ巻く  


寒いけどいつも楽しい研究会


参加者の表情見ればよくわかる


大人だが笑いが絶えぬ研究会


参加した人だけにしかわからない


三人でわけがわからぬこの行為



毛バリ巻き真剣過ぎて恐い顔

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ということで(どういうことだ)、本日は参加者も少な目(9名)だったので、毛バリの写真を撮影してみることに。


こちらは私がステルス自製アイの作り方を説明した時に作ったもの。
がまかつ社製クワセマスターに、フロロカーボン製の2号のラインでアイを作成。



こちらは本日初参加の生徒のIさんの巻いた毛バリ。
初めてですが綺麗に巻けています。


ここからはメンバーの毛バリを抜き打ちで。これはとくさんのカディス。


横浜のNさんの視認性最重視の毛バリ。
これを使うようになって沢での釣果が安定してきたそう。


秋山郷のUさん作。自製アイ・ウイング・テールと手のこんだ毛バリ。

みなさん着実に毛バリ巻の腕を上げていると思う。
タイイングの技術の向上に終わりはないので、私もウカウカしてはいられませんね。


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ランチの後、午後はみなさんそれぞれに釣りを楽しまれていた。



NさんとUさん


TTさん


K隊長


Nさん


用務員Kさん

今日は魚の活性の上がった時間帯もあったので、みなさんそれなりに釣果を得ることができたようだ。
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そんな中、本日は貴重な「見習中」のとくさんのヒットシーンを撮影することができた。


ドリフト


ヒット


ランディング


ランディング2


ランディング3


ランディング4


ランディング5


ネットイン


どや1


どや2

本人いわく、カメラの前でこんなタイミングで釣ることができるのは1年に1度あるかないかだそう(笑)。



そしてとくさんのザックにこんなものを発見してしまった(100尾釣るまで見習い解除されないし)。


オイ!


オーイ!!

以上楽しい研究会開催させていただきました。本日もありがとうございました。

またのご参加をお待ちしています。
 


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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浅川マキと毛バリマキ



1970年代半ば、私が中学3年生の時に始めて聞いて、脳天に鉄槌をくらったような衝撃と感動を受けた歌があった。理屈でどうのこうのではなく、歌が自分の感性に響いたのはこの時が初めてのことだったかと思う。もちろんその歌を聞いた私は即座にレコード店に走り一枚のLPレコードを手に入れた。それから何年もの間そのレコードを聞き続けていた。
80年代になり実家を出た私は、ステレオが手元になかったことや、その後に出てきたCDに押されレコードを聴く機会がなくなったしまった。 



それでも時にはその「レコード」、というか「その歌」そして「その声」を想い出し、聞きたくなることがあったのだが、その歌手本人がCDの音に対して懐疑的であったそうで、当時焼き直したCDが市販されることがなかった。

先日のこと、ネット上をウロウロしているとそのCDが発売されていたことがわかり、しかも当時のレコードジャケットをそのままCDサイズにした「紙ジャケ」のバージョンがあり、早速購入してそれが手元に届いた。



やっぱり「イイ」。理屈ではなくストレートに。初めて聞いたのが10代の半ば。それから40年近く経っているが、当時と同じようにその歌がストレートに身体の中に入ってくる。当時のロックシーンを飾っていたカルメン・マキとともに、その歌を聞くと今でもあの頃を想い出してしまう。

『夜が明けたら』
『かもめ』
そしてその後の『マイ・マン』

そんな浅川マキのCDアルバムを昨夜は遅くまで聞きながら、アイラのグラスを傾け、ジックリと毛バリのことを考えていた。しかし考え過ぎで実際に巻いたのは1本だけ。

『浅川マキ』
『カルメン・マキ』
『毛バリマキ』

この3つは今でも大好きだ。




吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 明日は毛バリ研究会です 吉田孝


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エッセイ&野外料理をご紹介(月刊つり人3月号)



今日は都心に用事がいくつかあったため、生業を半日で早退し所用を済ませた。その後いつもお世話になっている出版社の「つり人社」へ。

今日は来月発売になる『別冊渓流』の件で編集者に渡すものがあったのと、年明けのご挨拶もしていなかったので、それも兼ねて編集部に伺うことにしていた。 


(本社ショーウインドウ)

「つり人社」からは毎月25日に『月刊つり人』が発売されるが、今月は渓流エッセイを書かせていただくことになった。



それともうひとつ、これはぜひともご参考にしていただきたい、「ワンバーナーレシピ集」の記事に、私の足りない頭でひねり出したレシピもご紹介していただくことに。



野外料理のノウハウも一応色々とあるので、プチアレンジをした

〇〇〇〇ぶっかけうどん
〇〇〇〇ポタージュ
〇〇〇〇しるこ

の3種類が採用され、綺麗なカラー写真も撮影していただき、無事誌面で紹介していただいた。



詳しくはご購入の上、そのレシピをお試しいただければ幸いです。

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実は、昨年まで『月刊つり人』の副編集長で、私の担当をしていただいていたM氏が、今年から同じ「つり人社」から出版されている『フライフィッシャー』の編集長になった。
そんなこともあり販売促進用に最新号を1部いただいてしまった。



フライもテンカラも区別なく楽しめると思っている私にとって、M氏がフライフィッシャーの編集長になったことは今後の毛バリ釣りを考えていくうえでも、非常に有意義なことだと思っている。以前から時々購入し、楽しませていただいていたが、今後の誌面もさらに楽しくなりそうである。

今週は所用に絡んだ心労が続いていたので、1週間が終わったらいささかグッタリしてしまった。
テンカラ関連のことや、飲酒の関連の用事ならたとえ身体は疲れても精神は晴れやかだが、それ以外の精神疲労を呼び起こす問題は本当に疲弊してしまう。明後日は毛バリ研究会もある。そのようなわけで明日は一日自宅で休養するつもりだ。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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アイ付きのハリにアイを付ける


(R17-3FT)

先日の吉田毛鉤会プチ新年会でのこと。当会メンバーの秋山郷のUさん、いつもうたげのTさんと、相変わらずの熱烈テンカラ談義となったわけだが、その話の中にオジサンたちの一番やっかいな問題の「視力」の話が出てきた。
遠くのものを見る場合は眼鏡を使用すればどうにかなるし、魚を見つけるのは多少なりとも慣れた目というものがあるのでこれもどうにかなる範囲だ。しかしどうにもならないことがある。


(ナノスムースコートは下巻きが滑る)

それは・・・・・毛バリのアイにハリスがなかなか通らないということだ。

ハリのメーカーや種類によって多少なりともアイの大小があり、通しやすいものもあるのだが、基本的に薄暗い小渓流での釣りが多い私はそれでもけっこう往生するわけで、先日のブログでもご紹介したように最近は自作のアイを取り付けた毛バリを使用する比率が高くなってきている。


(アイはナイロン4号の黒い釣り糸)

そこでプチ新年会の席で色々と話をしたのだが、秋山郷のUさんはナノヤマメに自作のアイを付け愛用しているということだったし、いつもうたげのTさんはR17-3FTを愛用しているが、アイにハリスが通しづらくて弱っているということだった。


(滑るので瞬間接着材を浸透させる)

私も愛用しているR17-3FTだが、このハリ、スペック的には現行発売されているものの中では最高位といっていいほどカカリのよいハリなのだが、アイが通常のハリよりも小さいのだ。実にハリスが通しづらい。そこでいつもうたげのTさんがひらめいたのが、このハリに自作のアイを付けてみたらどうかということだった。


(兎胴茶剣羽根)

以前私はアイ付きハリのアイを切り落とし、自作のアイを付けた毛バリを作ったことがあるが、確かにここまで小さいアイならアイを切り落とさず、そのまま自作のアイを付けても問題がなさそうだ。
ということでアイディアを拝借して早速毛バリを巻いてみた。


(下から見たところ)

結果はGOOD。
アイが小さいぶん切り落とさないでもそれほど違和感ない仕上がりになった。#18以下のサイズになるとバランスよく作るのが大変になると思うが。

と、ここまで書いたところで某編集部から電話をいただいてしまった。

少々あわててやらないとならない要件の依頼をいただいてしまったので、ブログ書きはこの辺りで終わりにし、早速そちらの仕事に取りかかろうと思う。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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渓流魚の撮影

何年か前、「釣った魚の写真がありませんか」と雑誌の編集者より依頼があった。当時は自分の記録に残す程度の撮影していなかったので、ロクな写真がなかった。
そんなわけでもう少し真面目に撮影しようとデジタル一眼レフを導入し、実際に撮影した写真を使っていただいたことがある。


(別冊渓流2013春号「佐藤垢石の毛バリを巻く」の記事をやらせていただいた後、その毛バリで釣った魚を撮影した)


(こちらが元の写真)

いつも私と私の釣った魚を撮影していただいているプロカメラマンや編集者の仕事を見るにつけ、「魚の撮影は大変だなぁ」と思っていたのだが、実際にやってみるとこれが本当に大変なのである。

ブログ用や自分の釣果の記録を残すだけなら、いわゆる「JPEGの撮って出し」でよいし、PCにダウンロードしたりブログサイトにアップする場合はデータも軽いほうが楽だ。
しかし読者がお金を払って購入する雑誌の誌面に掲載される形になるならば、こちら側も責任を持って撮影した写真を送りたいという気持ちが出てくるわけで、自ずと撮影に手が抜けなくなることになる。

以前自分がテキトーに撮影したものは、ランディングネットの中で魚が「へ」の字になった写真だったり、ハリスを持ってぶら下げた形で撮影したり、乾いた河原に魚を置いて撮影したものなどがあった。特にリリース派の私の場合は魚へのダメージのことも考えなければならず、過去の自分の撮影時の魚の扱いを思うと、それほどひどい扱いをしていたわけではないが、今思えば反省しきりである。

どこで何を釣ったという単純な記録用の写真ならともかく、私の場合はせっかく釣った魚は少しでも綺麗な形で残しておきたい気持ちがあるし、まして誌面に掲載されるという可能性があるとなると、どんな小さい写真でもなおさら丁寧に撮影しなければと思ったのである。そしてそれらのことをひっくるめて考え、あらためて撮影に取りかかると、これは実に手間のかかる作業であるということを痛感することになったのだ。


(こちらは別冊渓流2012夏号の時のもの)

以前からカメラマンや編集者と一緒に仕事をしてその撮影時にも手伝いながら拝見し、色々と勉強させてもらったが、いずれの場合も魚を釣った後、その撮影には相当な時間をかけているのである。

以下は私の場合だが、あらためて書いてみると、まるでひとりでボケとツッコミをやっているようだ。

釣った魚は先ずネットに入れて流水に。撮影準備が済むまで魚を良好な状態にしておく。
帽子と眼鏡とグローブが邪魔になるので全て外して周囲に置く。
その後は光線の当り方を見ながら最良の場所を川と岸の間に探し、石を組んで流水を導入したベッドを作る。落ち葉などのゴミもこの時に取り除く。これが水温の低い時には手が冷たくて実につらいのである。
そこに魚を丁寧に横たえ、手をタオルで拭ってからカメラの準備をする。いつものように外したレンズキャップが後にどこにいったのかわからなくなるのは、この時に焦っているからだと思う(現在はキャップホルダーを使用している)。
いざ撮影しようとしても、魚は落ち着いてそこにいてくれる奴ばかりではない。時に逃げ出し時に暴れ、その都度気の毒になりネットに入れて流水に戻す。
それでもどうにか落ち着いた頃を見計らい、再び手をタオルで拭いてカメラを構える。
元来魚という水が大好きな生き物と、カメラという水が大嫌いな精密機械を同時に扱わないとならないわけで、ここまで到達するのに何度手を水にぬらし、その水を何度タオルで拭くのかわからないほどだ。
防水コンデジを使えばということもあるが(実際使っていた)、画質の面はともかくとして、マニュアル操作はやりにくいし、レンズの交換はできないしで、やはりイマイチ具合がよくない。
いざ撮影となると魚体の光の反射が気になり、自分が水にぬれるほど屈み込んで撮影したり、レフ板をシェード替わりにして光を抑えたりと、アシスタントがいてくれたらどれほど楽かと思うことがあるくらいだ。

魚を釣る⇒ネットに入れる⇒魚を生かしながらベッドを作る⇒魚を安置させる⇒手を拭く⇒カメラの準備をする⇒撮影する(この間魚が暴れると、魚を安置させるから手を拭くという行為の無限のルーティーンになる)⇒マクロの場合に移行する時にはレンズを替える⇒撮影する(ここにも魚とタオルの無限のルーティーンが入る場合がある)

というように、実際シャッターを切っているのはものの数秒かもしれないが、その準備にかなりな時間が必要とされるのである。で、終わって帽子に眼鏡にグローブを着用し直し、一式を片付けてザックに入れる。その後釣りを再会してすぐに魚が釣れでもしたら、またしても振出しに戻るのである(笑)。

夏場はともかく、秋にはハチにまとわりつかれて落ち着いて撮影ができなかったり(経験アリ)、解禁当初は手が冷たくて指先が動かなくなることもある。ムリな体制で撮影をしていると腰が痛くなり、ついうっかり水中に転倒でもしようものならカメラもろともオシャカになる。荷物は増え、カメラを気にして歩くため心身ともに疲れもする。
もちろん竿を出す時間は相当削られるし、水飛沫のかかる堰堤下で撮影用の魚を釣っている時には、カメラをタオルでくるんで釣りをしたりと、本当に手間がかかるのである。


(使用頻度の高いナノタオルとレフ板)

しかしそうやって頑張って撮影した渓や魚の写真を自宅で見ると、ひどいものも多いが時として思った通りに撮影できた写真もあり、そういったものがあった時には全ての苦労が報われる思いがある。そして次回の釣行時も、「やっぱりデジイチ持参でい〜こう」となるわけだ。

そんな苦労を知ってか知らずか、昨年末には釣り具関連のメーカーさんからも、「渓や魚の写真はありませんか」と問われたりもした。

そんなわけで依頼があればより力も発揮できるというわけで、今年は解禁当初からの渓と魚の撮影に、さらなる熱が入りそうである。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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禁漁・カンツリ・ぶらり旅(第2回・丹沢ホームで沢テンのイメトレ) 



私は本日生業が休みだった。しかし昨日一昨日と2連チャンのゴゼンサマで、気力に体力が減退気味だった。だから明日は釣りにいこうかどうしようかと、眠る間際まで考えていた。
「早朝に起きられたら」と、一応準備だけはしてから就寝したのだが・・・結局午前4時には目が覚
めた。ずっと起きていたかこれから始まるかの違いで、どちらもゴゼンサマだ。

準備をして車に荷物を積み込む。カンツリの場合はそれほど荷物が多くならないため、釣り具と着替え、状況に応じてお湯を沸かしてランチにする時の道具一式をまとめたバスケットがそれぞれひとつずつ。他にはカメラ用ザックにロッドケース。多くはないと書いたが、色々とやることの多い私は普通の人よりは多いようだ。

私の大好きな奥多摩の渓、その中でも特に支流が好きで、昨年もずいぶんと入渓することができた。この辺りのことは、今月25日発売の『月刊つり人』にショートエッセイとして掲載されると思うので、お読みいただければ幸いである。

そんな小渓流やヤブ沢の好きな私としては、当然のごとく解禁当初から沢でのテンカラを行なうわけで、「低水温だと毛バリを追わない」とか「気温が低いとドライではムリ」などということはないということを実戦し、どんなに寒くてもテンカラで楽しんでいる。



これらのことは何年も前から冬季のカンツリで実体験として経験してきたことでもあり、ちなみにつり人社から発売しているDVD『テンカラ1尾釣るまで!塾。』は、2月のTTCで撮影したものだが、あの時も「ヒットシーンを撮りたいので水面で魚を出してください」といわれ、パラシュートで何尾か釣って見せることができたことを思い出した。

その時の魚はニジマスだったが、実際の渓に行くと解禁当初でもライズしている魚はいるわけで、氷の張るような低水温でも、毛バリで釣れる時には表層だろうが底釣りだろうが、TPOを間違わなければキッチリと釣れるのである。



前置きが長くなったが、5時に自宅を出てガソリンスタンドで給油して、コンビニで飲み物と朝食を調達。圏央道に入り高尾山インターを経由して1時間半で到着した。ウエーダーとウエーディングシューズに履き替え、駐車場から歩く。受付時にオーナーとしばしお話しを。昨日一昨日と1泊で滞在した当会メンバーのきょ→じさんの話も出た。その後は7時半から上流部を釣り上がった。

解禁までは約1ヶ月半。沢テンカラのシュミレーションも兼ねているので、ここの釣り場のように、周囲に枝が張り出していればいるほどありがたい(上流域限定だけど)。ヤブ沢ではこの周囲の空間認知能力というのがとても必要になってくるので、開けた場所ではあまりいい練習にはならないのである。私の場合ヤブ沢実戦では3メートルの竿を主体で使用するが、練習なので意図的に3.3メートルの竿を使い、ラインの長さも3.3メートルにし、ハリスがヒトヒロで練習する。



実戦と違い毛バリのロストはほとんどない(午前中アワセをミスって上方の枝に引っ掛かり1本ロストしたのみ)。理由は簡単で、魚に意識を持たずに周囲に意識がいっているからだ。これが実戦だと引っ掛かりまくる。それはどうしても釣りたい一心で魚に意識がいきすぎて、周囲の状況が目に入らなくなるからだ。

ということで今日はその辺のところを重点的課題として釣りをしてきた。
『ポイント(魚)を見つける⇒立ち位置を考える⇒丁寧なアプローチをする⇒キャストする』ではなく、
『ポイントを見つける(いると思う場所を頭の中で決める)⇒周囲の状況に応じた最良の立ち位置を考える⇒丁寧なアプローチをする⇒キッチリ周囲を確認してから丁寧にキャストする』と、想像という頭を働かせ、より丁寧な釣りを心がけるという形をとるわけだ。



目のあまりよくない私は魚を見つけると同時に魚に走られることがよくあり、魚に対して間合いを詰める時あまり優位に立てない。それでも魚の付き場がキッチリとわかってさえいれば、見えない魚に対してベストの位置に毛バリを振り込める立ち位置を取ることが可能になる。
このことは文章で説明するのはなんとも大変なのだが、小渓流では毛バリを振り込む位置が3センチずれただけでも魚が毛バリをくわえそこなうということが往々にしてあるわけで、ヤブ沢というキャスティングに多大なるハンデを背負う場所での釣りを考えると、やはり解禁前にこういったこともしっかりと考えておく必要があると思うのだ。



魚は見えないが「絶対ここにいる」そして「ここで食う」という流れを見つけ、その落ち込みの下の段に立ち、「ここだ」と思うところに周囲の枝に注意してキャストをする。私の沢での釣りは表層勝負が主体になるため、そういった釣りに適合した毛バリを使ってキャストをするのだが、高低差があり、自分の目線の高さにより近い場所に水面があるため非常に見にくい。それでも自分に向かって流れてくる毛バリの位置を憶測し、「ここだっ」と自分が思った通りのところで水面に波紋が出る(魚がヒットする)と、そのしてやったり感が嬉しくて卒倒しそうになる。

そんな練習をしながら上流部を2ラウンドやって、風も強くなってきたので午前11時半には川から上がった。

午前中の水温は4℃。1尾目はドライで釣った。釣果はまぁいつもと変わらずだったが、随所に融け残る雪もあり、けっこう寒かった。



このように自分の目的に合った場所を見つけ、オフの間に練習するには、管理釣り場は非常にありがたい場所になる。みなさんも自宅で解禁を待ちわびるだけでなく、管理釣り場に出かけてみてはいかがでしょう。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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