昨日のブログにもご紹介しましたが、秋山郷のUさんよりいただいたゼンマイの綿毛を整理している時に、ちょうど四色の剣羽根があったのを思い出し、アレンジして剣羽根の毛バリを作成してみようと思いました。
こちらの剣羽根は、ナチュラル・茶・緑・黒とアソートで入っています。
そこでこのように巻き分けてみました。
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先ずは「黒剣羽根」からです。
Uさんの作ったものを見せていただいたのですが、もっと黒いゼンマイでした。(あの方がイイ)
写真の写り方もあり、肉眼よりは明るく写っていますが、黒いヘッドに黒い剣羽根と、実にイワナに効果的と思われる毛バリに仕上がりました。
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次は白剣羽根です。
剣羽根の材料から白っぽいものを選び、ゼンマイ綿も一番白い部分を使いました。
スレッドはライトケイヒルの色で。
イメージですが、春先のコカゲロウ、5月頃のモンカゲロウと、大きさ別に作り分ければ明るい色のカゲロウ全般の捕食パターンに使えそうです。
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三本目は緑色の剣羽根です。
こちらも撮影の状態で黄色っぽく写っていますが、けっこう濃い緑色の剣羽根です。
スレッドはオリーブを使用。
カメムシやブナ虫、バッタなどの色のイメージで、夏に使いたい毛バリになりました。
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最後は茶色で。
こちらも実物はもっと赤茶色です。
スレッドはキャメルを使用。
マダラカゲロウやチラカゲロウ、大きく作って一部の大型のストーンフライ(オオヤマカワゲラなど)の捕食に合わせて使ってみたいですね。
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このように剣羽根とゼンマイという伝統的なマテリアルでさえも、四種類のパターンに作り分け、複雑に釣りを楽しむのも吉田流テンカラのひとつです(笑)。
先日のコメントにも書きましたが、剣羽根の毛バリはここ数年ことあるごとに使用してみて、やっと使い方を理論的に理解するにいたりました。
それまではどのような結果になるのか、どのように使い方を説明すればよいのかも、イマイチ確実ではなかったので(釣れることは釣れますが)、雑誌等でも紹介するのをためらっていました。
今年になり水爆的(大袈裟ですが)な効果のあることが実感としてできてきましたので、別冊渓流や月刊つり人の誌面でも紹介するに至ったのです。
ただし剣羽根だけでなく、毛バリ全般にいえることですが、その毛バリの絶大なる効果というのはいわゆる共通的・普遍的ではなく、その人にとっての絶大な効果ということが、毛バリの世界ではよくあることなのです。
例えば名人がいつも使用しているハリをいただいたからといって、その毛バリを付けた人全てが釣れるとは限りません。
当たり前の話しですが、その毛バリにはその毛バリを使う状況、その毛バリを使うための道具、そしてその道具を使いこなすだけの技術が渾然一体となって始めて効果として表れるのです。
私の中で数年の時間を経て、ようやく自分なりに使いこなせるようになった沈み玉カゲロウ(BHニンフ)に次ぐ、第二番目の毛バリが、この剣羽根の毛バリということになるかも知れません。
これらの毛バリの使い方を詳しく聞きたいと思う方は、いつもの研究会で直接自分に聞いていただけば、ご説明させていただきたいと思います。
いずれにしても日々精進。
「釣れなくて悩むところが面白い」
ということもありますが、これはやや言い訳に近いところもあり、コメントいただきましたS&Sさんではありませんが、やはり釣れた方が面白いに決まっていますので、
「釣れたならどんな毛バリもみな宝」
という感じでしょうか・・・。
と余裕ぶっこいて自分の毛バリを巻いてみましたが、今夜も宿題の納品毛バリが待っています(汗汗)。
週末はプライベートレッスンのご予約もいただきました。(かわガール?!)
テンカラメンタルはシャロムの森で満充電にしてきましたので、またしばらくは頑張れそうです。
吉田毛鉤 釣るためにはホントに日々是精進ですなぁ 吉田孝