本日は都心にある実家に用事があり、ついでに実家に来ていた気功の先生に身体を診てもらい、ホンワカしたところで渋谷まで、例の竿を取りにいきました。
サンスイには、復刻版のレッドスナイパーの33と36の二本を引き取りに伺ったのですが、店にお邪魔してしばらくすると、以前何度か自分の教室にご参加いただいたことのある、御殿場のHさんも同じ竿を購入しにいらっしゃいました。
しばし立ち話をしましたが、自分と同じく体調不良のようで、お大事になさっていただきたいと思います。
その後は当吉田毛鉤会のメンバーもご存知の方も多い、佐々木さんとゆっくりとお話をさせていただきました。
その内容ですが、本日は談笑ではなく、「テンカラ竿の取り扱い」を、製作と販売をなさっている目線からのお話も含め、色々と情報交換をいたしました。
以下、佐々木さんからのお話も含め、竿の取り扱いについて、あらためて記しておこうと思います。
ご承知の方、ご承知の部分もあるかと思いますが、再確認の意味も含め、じっくりとお読みいただければ幸いです。
「テンカラ竿の取り扱いについて」
*まさか通常、ぬれたまま仕舞う方もいらっしゃらないと思いますが、雨などで竿がぬれた場合は、必ず拭いてからたたみ、帰宅後は尻栓をはずし、バラして乾かしましょう。テンカラ三種の神器のひとつである、「竿」の放置は塗装の浮きなどの問題だけでなく、蒸れた臭いが出てきたり、とにかくロクなことにはなりません。大雨でも簡単に拭いてからたたみ、後でもよいので必ず乾燥させてから保管しましょう。
*何度か使用したら、バラしてみて、砂の付着や傷の有無もチェックし、汚れていたら掃除をして、よく乾かしてから保管しましょう。
*竿を伸ばしたり、たたんだりする時は、必ずコミクチ(ジョイント・つなぎ)の前後をしっかりと保持し、ひと節づつ丁寧に伸ばし、たたむ時も同じ様にひと節づつ丁寧にたたみましょう。
グリップ内部の底部分に叩きつけながら仕舞うのは、コミが固着した時以外はやらないようにいたしましょう。叩きつけながら仕舞うと、思わぬヒビ、欠け、割れの原因にもなりかねません。
*一番多い竿の破損は、ラインをヘビグチ(リリアン)に取り付ける時に、穂先をポキッと折ってしまうことです。竿は全体で力を吸収するようにできています。一点に「力」がかかると、いとも簡単に折れることがありますので、ラインの取り付けにはくれぐれもご注意ください。
*実釣時の扱いでは、自分も安価な竿では時々やってしまい、反省しなければいけませんが、魚を掛け、無事ランディングした後、リリースするなりキープするなりの時に、魚の口から毛バリをはずすのに、竿をその辺に置いてしまうということです。
丁寧に横たえたつもりでも、地面がどのような状態になっているかわわかりません。
竿の一点に思わぬ傷がついてしまい、次のキャストでポッキリなどということもあるやも知れません。
近くを通る人が踏んでしまうかも知れず、自分の不注意で自分で踏んでしまうこともあります。
とにかくできるだけ肩にもたれかけるようにするなどして、ブランクが地面に触れることを極力避けるようにしましょう。
*同じ様にカラアワセをして、勢い余った竿で付近の岩や木を叩いてしまうこともあります。
それは中々防げないと思いますが、叩いた後はよく確認し、傷でもあればそれなりの扱い(振り込みやアワセ)をしないと、破損しやすくなると思います。
ここまでは基本といえば基本ですが、ここからは自分なりに多くのテンカラ師を見ていて、竿の破損につながる大きなことをやっている方が時々いらっしゃいますので、それをご説明したいと思います。
大きなこととは「タックルバランスと釣り方(特にアワセ)が合っていない」ということです。
*一番わかりやすいのは「ハリスの太さ」でしょう。
竿の強度を無視し、毛バリを切ってなくすのが嫌だからと、あまりにも太いハリスを使い、ハリスは切れないが竿が折れたでは本末転倒もいいところです。
*アワセもいつも一定で力強く、道具が変わっても同じままで、「その細い穂先ではそんな力はないだろう」という方もいらっしゃいます。
アワセの強さや力加減は、状況に応じて的確に変えるべきで、ライトタックルでも手加減しなければ破損して当たり前です。特に竿は適度な方向に力が加わっていれば、想像以上の力を発揮しますが、ラインと竿が鋭角になっている時など、竿に縦方向の力が加わり、いとも簡単に折れることもあります。
*他にもラインが水中深く入っているのに、水面と同じようなピックアップの力を使えば、水がラインにまとわり付く粘性も結構あるので、自分の無理な力と水の力で竿が折れる可能性もあります。
例をあげればキリがありませんが、楽しませてくれる道具です。
最低限この程度のことを知っておき(教えたり伝えたりする人が少ないので、知らなくて当たり前な部分もありますが)、大切に末永く使いたいものです。
佐々木さん、お話色々ありがとうございました。
腰をお大事にしてください。←(自分に言われたくないとは思いますが)
テンカラ師はオジサン率(お爺さん率も?)が高いです。
竿も身体もメンテナンスして、大切に扱いましょうね。←(だからオマエが言うなよ)
吉田毛鉤 みなさんも御身大切に 吉田孝