今回も3名の生徒さんにお越しいただきました。
うち1名の生徒さんは、リピーターの方でした。
力量不足の講師にもかかわらず、参加していただいた皆様には、心より御礼申し上げます。
教室の様子
いつもながら感心するのですが、皆様本当に熱心で、こちらの説明にもメモなどを真剣に取りながら聞いていらっしゃいました。また、質問なども多数いただき、こちらとしても本当にやりがいのある教室でした。
教室の様子
タイイング(毛バリ巻き)の説明の時などは、3名様それぞれご自分でやってみたいといわれ、一人づつ、講師が教えながらではありますが、思い思いの毛バリを作り、午後の釣りではその毛バリを使い、釣果をあげられていたようです。
「自分で巻いた毛バリで釣れました!」
「講習料も払わずに、こんなにしっかりと教えていただき本当にありがとうございました」
と、お礼の言葉もたくさんいただきました。
喜んでいただけて、こちらとしても本当によかったと思っております。
また来月開催の日程が決まり次第、当ブログ、もしくはTTCのホームページ でお知らせいたしますので、今回参加できなかった方、新たにテンカラをやってみようという方、そしてもうひとつステップアップしてみようと思っている方のご参加をお待ちしていますので、その節はお申し込みください。
熱心な生徒さんに煽られ、講師も講習に熱が入りました。
そんなわけで本日講師はクタクタです。どうにかこうにかブログだけ書きましたので、もう眠りにつきます。
それではまた。
追伸:本日の講師のランチは「野菜カレー」。
このカレーは先日行われた「毛バリフリークの集い」で、あの石垣テンカラ大王が「おかわり」し、二人前ペロリと平らげたカレーです。
なにもいうことはありません。おいしいです。お試しあれ。
最も基本的なテンカラの毛バリは、胴体(ボディ)と蓑毛(ハックル)だけでできています。
今回はそんな毛バリを作ってみましょう。
この毛バリは竿の操作で水面から水中まで、大雑把ないい方ではありますが、万能に使える毛バリだといえます。
全ての毛バリ作りの基礎となる作り方なので、どのように進めているのか、その工程を憶えておくとよいかと思います。
準備する道具もそれほど必要ではなく、
ハリ(アイ付きの、フライフックの12番前後)
糸
蓑毛(ハックル)
ダビング材(ボディ材)
バイス(なければフォーセップのようなものでも可)
ボビン(糸巻き)とボビンホルダー
ハックルプライヤー(蓑毛挟み)
ハーフヒッチャー(ダビングニードル付き)
ヘッドセメント(接着剤)
を準備します(以上の材料と道具は、釣具量販店のフライコーナーか、フライフィッシング専門店で入手できます)。
と、ここまではどなたも説明している毛バリの巻き方なのですが・・・
今回は「道具をなるべく使わないで巻く」というコンセプトで巻いてみましょう(これなら釣り場でも巻けます)。
注・(毛バリ屋の私ですが、売り物にする毛バリではないということで、仕上がりに関してはどうぞご容赦願います・・・)
それでは作ってみましょう。
先ずはハリに40センチ程に切った糸をしばり付けます。
最強のハンドバイス(左手)にしっかりとハリを保持し、糸をハリ軸に一往復巻きつけ、下地を作ります。
ダビング材(ボディー材)を糸により付け、ハリ軸の後方に向かい巻き、次に糸だけを、頭の方に向かい荒く巻き付けていきます。
あらかじめ用意しておいた蓑毛(ハックル)の先端部をアイの近くに固定します。
固定したのと反対側の蓑毛の軸に糸を一結びします。
糸と蓑毛の軸を同時に持って、ハリ軸に固く巻きつけます(蓑毛がパラパラと開きます)。
全工程の中の、一番「キモ」になる部分ですのでしっかりとやってください(指がガサガサで見苦しくてすみません)。
頭の方にある、蓑毛の余った端の部分を切り落とした後、頭胸部をイメージし、蓑毛を押さえつけるように糸を巻きつけ、ハーフヒッチを2〜3回します(ただ単に縛っても可)。
その後ヘッドセメントを頭に塗り、乾いたらできあがり。
写真にある、たったこれだけの物(道具に材料)で簡単にできます。
工程ごとに右手にカメラを持ち、撮影しながらでしたが、10分足らずで完成。
ベテランの方はご存知だと思いますが、このような毛バリでも充分釣りになります。
巻き方を紹介しておいていうのもなんですが、世の中のテンカラファンが全員自作の毛バリだけを使うようになると、毛バリ屋としては非常に具合が悪いことになります。
う〜。それはそれとして、それでも買っていただけるような品質の毛バリ作りに勤しみますので、どうぞよろしくお願い致します。
加工前(伊勢尼)
実家が料理屋だったこともあり、小さい頃から料理が好きで、もう30年程前に「調理師免許」を取得しました。マルチアングラーだった頃は、海、川、湖と、ずいぶんと魚を釣っては食い、釣っては食いしていました。
次第に家族も増え、なかなか遠距離釣行もならず、お決まりの管理釣り場通いへ。
管理釣り場では、取って食っても魚資源に影響がないと、虹鱒、岩魚、山女魚、ブラウントラウトにブルックトラウト、桜鱒に銀鮭。塩焼きにムニエル、燻製はもとより、醤油漬けに味噌漬け粕漬け、ゆで鱒、生姜煮、味噌煮にココナッツミルク煮、甘酢あんかけに南蛮漬け。すり身にしてしんじょう、ハンバーグ、鱒ボールカレー。骨せんべいに皮の素揚げまで。ありとあらゆる調理法で食べてみました。
今は堪能し過ぎて、釣った鱒類をほとんど食すことはありませんので(岩魚の骨酒以外)、自然渓流はもとより、管理釣り場でも、誰かに頼まれて持ち帰る以外はほとんどリリースしています。
で、バーブレスフックの話しですが、最近はリリース前提で釣っているので、尚さらのこと。大した経験はしていませんが、自分の経験した釣りの中では、ほとんど特殊な場合を除いて、バーブの必要性を感じたことがありませんでした。後で釣りの歴史の本で調べたところ、バーブは魚のバラシを軽減するよりも、エサ持ち(エサの保持)の為ではないか、という理由なども記述されていました。
毛バリにエサは付けないし、なにより釣った魚をはずすのに、手間取らないから手返しがよく、釣りのリズムも崩れにくく、あやまって衣類や手足、果ては頭や目などに刺さった時のことを考えたら、恐ろしくて使う気がおきません。
今では多くの管理釣り場でバーブレスフックの使用が義務付けられるようになりました。
しっかりと合わせがきいていれば、取り込みの祭にラインがゆるまない限りバレることも少なく、バレた時は自分の技量が足りないと思え、次からは慎重に取り込もうと考えることにもなります。
魚の絶対数の少ない自然渓流なら尚のこと、キャッチアンドリリースの際の魚へのダメージを最低限にする為にも、バーブレスフックをみなさんで使ってみたらいかがでしょう。 加工後
1)集中力(第一回)
2)テーマを決める(第二回)
3)自分中心から魚中心へ(第三回)
4)毛バリへのこだわりからの脱却(今回)
山女魚には 見向きもされぬ 我が毛バリ 毛鉤子
毛バリを作り、販売させていただいている自分がいうのもなんですが、今回は毛バリへのこだわりからの脱却というテーマでお話ししましょう。
テンカラをやっている初心者の方々から、決まったように、「毛バリは何をお使いですか」、「色は」、「形は」、「大きさは」、そして「どうやって作るのですか」と聞かれます。
まぁ最初は他に拠りどころもなく、「和式毛バリ釣り」というくらいで、どうしても「毛バリ」という名に振り回されてしまいがちなのも仕方がないのかもしれません。
「毛バリは一種類でいい」というベテランもいれば、「毛バリは何種類も使い分けた方がいい」というベテランもいる。これでは初心者は混乱してしまいます。混乱した挙句、「毛バリ、毛ばり、毛鉤、けばり」と、釣りというよりは毛バリの妄想に取り憑かれ、テンカラという釣りの、「釣り方」という大きなな部分を見失ってしまい、まさに「木を見て森を見ず」の状態になってしまいます。
ではなにゆえに、「毛バリは一種類」派と「毛バリは多種類」派がいるのでしょうか。
先ず「一種類で充分」という方も、そういう釣り方をしているだけで、実際には明るい色の毛バリに出なかったけれど、黒に変えたら入れ食いになったというような経験もしているはずで、もしも一種類で充分だとしたら、多種類の毛バリを使うのがあたりまえな、「フライフィッシング」など成立しなくなってしまいます。それでは、何でそのようなことをいいたいのかといえば、そういう方々は、ひとえに「テンカラという釣りの釣り方」の重要性を伝えたいからに他ならないからだと思います。
初心者の方々は、とにかく釣れなければ、「毛バリが悪い!」と思いがちです。そして釣り方の重要性も省みず、ひたすら毛バリのローテーションを繰り返す。魚のいないところにキャストしたり、就餌点をはずしていくら毛バリを流したところで、魚のいない室内プールで釣りをしているようなもので、キャストの練習くらいにはなるでしょうけれど、魚の釣れることはないと思います。
「毛バリにこだわらなくていいんですよ」、「自分の信じた毛バリを使いましょう」の裏には、「だからキッチリ魚の付き場を考えましょうよ」、「魚の口元に毛バリを運ぶように流しましょうよ」、「魚が食べられる状態に毛バリを流しさえすれば、何でも食うんですよ。だから毛バリは何でもいいっていってるんですよ」、ということを伝えようとしているのではないでしょうか。
次に、「毛バリ多種類派」の方々は、当然のことながらフライでいうところの「マッチング・ザ・ベイト」、すなわち、今現在魚が食べている餌に似ているものを使うということや、それとは逆に、あまり人の使わないものを使い、毛バリに慣れてしまった魚に、口を使わそうということなどを伝えようとしていると思います。しかしながらそれらの毛バリを使ったところで、やはり釣り方(アプローチ、キャスト、流し方、誘い方等々)ができていなければ魚が釣れることはなく、当然のことながらそれらの釣り方を踏まえた上での、「色々な毛バリを使って釣果を伸ばそう」ということに他ならないと思います。
どちらにしろ、先ずは「釣り方」が最優先で、それさえ正しければどんな毛バリでも魚は釣れるし、その釣り方を踏まえた上でローテーションをすれば、尚のこと釣れるのは自明の理だと思います。
今回のタイトルは、「毛バリに振り回されずに、先ずは釣り方から」という意味で、「毛バリへのこだわりからの脱却」と付けました。ただし本当に脱却すると、魚は釣れなくなってしまいます(笑)。
まぁこうやって書いている私自身も、「毛バリを見て釣りを見ず」ということにならないよう、常に心がけるようにしていますが。
銘:明烏(金箔貼り)
追伸:毛バリ屋としてひとこといわせていただくならば、「毛バリ巻き」「タイイング」は、それ自体独立した趣味として成り立っていると思います(勝手にですが)。私事ですが、一時釣りにはピタリと行かず、タイイングだけしていた年なんてのもありました(本末転倒)。それも独立した趣味と考えれば納得できるかと(自分だけ)。
まぁ丁寧に巻いた毛ばりを、綺麗に並べた毛バリケースを見て、ニヤニヤしているのは私だけではないと思いますが・・・・・・・・・
1)集中力(第一回)
2)テーマを決める(第二回)
3)自分中心から魚中心へ(今回)
4)毛バリへのこだわりからの脱却(第四回)
3)自分中心から魚中心へ
前二回はメンタル面を書きましたが、今回は実釣に関して少々書こうと思います。
偉そうに書いていますが、現在自分もこのテーマと格闘中です。
ある程度のキャストもできる、自然に流すことも誘いもできる、合わせもきいてきたのになぜかイマイチ釣果が伸びない。自分はこの段階でけっこう悩みましたが、名人上手の著書、諸先輩からのアドバイスやヒントを得て、「自分中心(主体)の釣りから魚中心(主体)の釣り」を考えるようになってから、少しずつではありますが釣果が上がってきたように思います。
そこでまたまた具体的に申しますと、管理釣り場にしろ有名河川にしろ、およそ多くの人が釣りに来ている場所では、自ずと「見るからによさげなポイント」を、先行者や誰かしらがたたいていると思っていいでしょう。しかし自分も「ここはよさそうだから」と、狙ってみることになります。よさそうなポイントで釣れないのに場所にハマると、「時間だけがむなしく過ぎていく」という結果が待っています。釣り座にしても同じことで、振込みのしにくい場所、キャストしても後ろに引っかかるような場所はみんなが敬遠し、自分も避けて通ることになります。
何がいいたいのかといえば、いわゆる「竿抜けのポイント」です。
ベテランの方などが普通に考えれば簡単なことも、自分が初心者だったころは、考えることもできませんでした。
魚の付き場がある程度わかってくると、人のやっていないポイントで、魚がいそうなポイントはいくらでもあることに気が付きました。だけどやりたくない。糸は引っ掛かり毛バリはなくなる。そこを落ち着いて、「仕掛けを短く詰めたり」「なるべく周囲に引っ掛からないようていねいにキャスト」(まぁこれにはキャスト練習も必要ですが)をしたりして、なんとかして釣ろうと思い、これは現在も練習中です。この「竿抜けを釣る」というのが、釣果アップのひとつの秘訣だと思います。自分の釣りやすさより魚の付き場。自分軸から魚軸へ。
もう一つはレーンとゾーンの問題です。フライフィッシングをしていて、「ドライフライしかやりません」という方がいます。これはこれでご自分のこだわりがあり、大いにけっこうなのですが、テンカラ初心者が、「こうあるべき」「こうじゃなきゃ」などと、余計なこだわりをもつのはどうかと思います。余計なこだわりは釣果アップの役には立ちません。それはある程度できるようになってから。
それこそ、「テンカラは十人十色でテンカラー」などと冗談でいうように、みなさんそれぞれのスタイルで楽しまれてよいのですが、それは色々な釣り方を試し、色々な釣り方で釣れるようになってからの、楽しみとして取っておいたらどうでしょうか。
水面と水面直下、見える毛バリを使って釣りをするのは楽しいものです。しかし魚の状況により水面付近ではピタリと食わなくなる時があります。こんな時、自分が水面と水面直下の釣りしかできなければ、「もうお手上げ」ということになってしまいます。自分の釣り方に魚の方に合わせてもらう。これが自分中心の釣り。
そこで、もしも毛バリを深く潜らせる釣りができるようになっていたらどうでしょう。魚の就餌点までなんとか毛バリを運んであげる。これなら水面で食わなかった魚も食うかもしれません。食うか食わないかわからないが、食わせるチャンスだけは確実に増えています。これが魚中心の釣り。
毛バリが見えなくても、ラインの引き込みなどの変化で合わせる練習をする。これが身についていれば、いわゆる平面(水面と水面直下)の釣りから立体(水深のあるところや底釣りなど)の釣りへと、自分の釣りの幅が増え、少しでも多くの釣果が見込まれると思います。
自分の釣り方に合った魚を釣って楽しむのはベテランになってから。
先ずは魚に合った釣り方で魚を釣ると、心がけてはいかがでしょうか。(1/Dec/09)
追伸:次はお待ちかね(待ってないか)の毛バリの話。ここまで一気に書いて少々疲れましたので、しばしのお待ちをお願い致します。
2)テーマを決める(今回)
3)自分中心から魚中心へ(第三回)
4)毛バリへのこだわりからの脱却(第四回)
2)テーマを決める
今回は「テーマを決める」ということ。
サンデーアングラーの方々は、多忙な日常生活からの脱却とばかりに、「やっと釣りにきたぞーっ!」「オラオラ魚ども、やってやるぞーっ!」と、その釣りに行った「たった一日」に「なんでもかんでもあれもこれも」と、持てる道具と技術と知識をいっぺんにさらけ出し、たくさん釣れても釣れなくても「今日は何匹釣ったー」(満足、不満足にかかわらず)と、勢いだけで終わってしまうことが多々あります。それはそれで楽しくてよいのですが(不満足ならよくはないか)、もう一歩先を見て、「次はもう少し釣れるようになりたい」と思うのでしたら、「今日は何で釣れたのか」「今日はどうして釣れなかった」くらいは考えるようにしましょう。
そこで具体的にどうすればよいかというと、これも自分の場合ですが、「テーマを決める」ようにしています。
たとえば、「今日は10匹釣る」っていう単純なテーマでもかまいません。(尾数はご自分で決めてください)ただし(ここからが重要)「10匹をどう釣るか」を考えましょう。管理釣り場でしたら尚のこと、魚のストック量も多いので、テーマを決めて釣りをするにはもってこいです。淵での釣りをマスターする為に淵で10匹釣る(努力をする)。瀬だけで10匹頑張ってみる。水面で10匹釣る。小さいスポットだけを攻めて10匹。自然に流して10匹、誘って10匹、逆引きで10匹。毛バリを変えずに10匹。それこそいくらでもテーマはあります。そして、そのテーマで、10匹目標のところ3匹しか釣れなかったところで、何も考えずに3匹釣ったのとは大違いで、「何がよかったのか」「何が悪かったのか」「次は何をすればよいのか」と得るものは大きく、「次につながる釣り」をしたことになります。
竿の振り方にラインのテスト、毛ばりの検証から天候気温の変化に至るまで、「考えて釣るべき」ことは無限にあります。自分でテーマを考えて自分で検証し次につなげる。釣りはどうしても「引き出しを多く持っている人」の方が釣れます。自分テーマの検証で、自分の引き出しとその中身をどんどん増やし、上達への足がかりとしてみてはいかがでしょうか。(1/Dec/09)
東京トラウトカントリーで、堀江総支配人よりテンカラ教室の依頼をうけてから、せっかくお越しいただいた生徒さんに、ただただ漠然と「テンカラ釣り」を教えていたのではと、自分自身で遺憾に思い、一度自分の中にあったバラバラになっていたものを、文字にしてまとめておこうと思いました。
初心者の方への参考に、過去の釣りから今現在に至った自分の釣りを見直す為に、そして自分自身もう一歩先へ進む為にも、精神論を含めて少し書いてみようと思います。
自称・テンカラ初級卒業をした程度の奴が、「な〜にいってんだよ」と、ベテランや名人上手の方々からお叱りを受けることも多々あると思いますが、そこはひとつ若造の戯言と一蹴し、目を瞑ってお許しいただければ助かります。
それでは前置きはこのあたりで、本題に入りましょう。
ステップアップの為のテンカラ講座(管理釣り場を利用して、初級から中級へ)
1)集中力
2)テーマを決める
3)自分中心から魚中心へ
4)毛バリへのこだわりからの脱却
長くなりそうなので四回に分けて書いていきます。
1)集中力
糸も結べる、ハリも結べる、竿も振ることができるようになり、なんとなく「合わせ」もきくようになり、魚の顔もチラホラと拝めるようになった方の、「次なるステップ」を踏み出す為に「集中力」のお話を。
ある程度魚の顔が見られるようになると、とにかく一分一秒でも釣りがしたい、毛バリを振り込みたい、チャンスがあれば何匹でもいいから釣りたい・・・と、とにかく魚を釣る(掛ける)ことに前のめりになりがちです。その結果は・・・・・。自分では一所懸命やっているつもりが集中力が途切れ、ポイントは見れないしキャストは甘くなる、自然に流せず誘いも雑になり、そこに魚が飛び出そうものなら、合わせがきかず頭に血が上り、興奮しているのは自分だけという悪循環が始まります。
こうなると、やればやるだけ疲れるだけで、釣果なんぞは期待のかけら程もなくなってしまいます。
そこでどうすればよいかというと、「意識的に休憩を取る」ということが必要になってきます。自分のペースが狂っているので、「疲れたから休む」「あと一匹釣れたら休む」式ではダメ。
私の場合ですが、とにかく時間で区切るようにしています。時報付きの腕時計を持って行き、「ピピピッ」と鳴ったら時計を見る。一時間ごとでも二時間ごとでも、自分で決めたスパンで休憩を入れるようにしています。たとえ入れ食いモードでも続けない(これは無理か)、いずれにしても釣りを一時中断するのは、それはそれでかなりな精神力が要りますが、やはり休憩を入れないと、魚が釣れないばかりではなく、疲れて足元がふらいついて転倒したり、果ては落水?なんてことにもなりかねません。自然渓流なら尚のこと。周囲に気が廻らなくなり、その他の色々な危険な事態に巻き込まれることもないとはいえないと思います。
特に毛バリを使った釣りは、「目」と「精神」が疲労します。意識して休むようにする。腰を落として空を見るとか、伸びをして深呼吸するとか。甘いものを口にする。ウエットティシューで顔を拭くなんてのも。お湯を沸かせる場所ならお茶やコーヒーを入れるなど。とにかく釣りをしながら休むのではなく、一時竿を置いて、釣りから放れて休みましょう。
集中力を取り戻す為には、休憩は絶対必要だと思います。(1/Dec/09)