ガイド釣行

 

私がプライベートで釣りに行く場所は山岳渓流といわれている、登山や沢登りに絡んだ場所が多い。とはいえ大荷物を担いで何泊もする大源流ではなく、日帰りで行かれる場所がほとんどである。

 

そういった場所に好んで入る理由はいくつかあるが、先ず、生業はサラリーマンであり、子育てや家族の面倒も見なければならないため、自分の好きなことだけをやっている場合ではないことがある。プライベートのテンカラ以外にも、教室や販売用の毛バリ巻き等、限られた時間を各方面に振り分けないとならないため、短い時間でもストレス解消することのできる、美渓への日帰り釣行がベストマッチしているのだ。週一ペースで行きたいこともあるし。

 

釣りに行く際、嫁は一言の文句もいわず、こころよく送り出してくれるが、それも普段の行いあってこそ。

生業の帰りに酒を飲んで帰るようなことはなく、スーパーに立ち寄り買い物をして自分の酒肴を作り、週に何度かは家族の夕飯を作る。子供の学校行事にも積極的に参加し、釣行後の着衣の洗濯等も、家族の手を煩わせずにやっているからに他ならない。

 

家庭の事情はさておき、入渓の理由の第一は【水が綺麗】な場所が好きなこと。次に【渓畔林の美しさ】と、【苔むすしっとりとした小渓流の風情】が好きだからだ。

 

ただしそのような場所には危険もある。クマやスズメバチといった動植物の危険から、私も何度か経験をしているが、転倒や滑落を理由とする怪我がある。もちろん遭難の危険もあり、馴れない人が単独で入渓すればハイリスクなのはいうまでもないことだ。

 

そこで必然的に経験者のお世話になるのだが、これがなかなかに難しいのだ。

 

安全な遡行や沢歩き、登山の知識を生かし、初心者を連れて釣りに入るまではよいのだが、ベテランの釣り師であるがゆえに釣りに対してのアドバイスが過剰になりがちで、挙げ句の果てには自分だけガツガツ竿を出し...では、帰ってきてからは「もう行きたくない」となってしまうと思う。

 

そんなことを考えながら、自分はそうならないよう、過去何人かの初心者を渓に連れていっているが、場所が場所だけに信頼関係の構築されていない人と出掛けるのだけは御免こうむりたい。だから知らない人に「お金をお支払するのでお願いできますか」などとお話をいただいても、キッパリお断りしている。私は教室もガイドも好きでやっていることなので商売ではないのだ。大体何かあった場合には、お互いの命を相手に預けないとならないようなことも想定しておかなければならない場所に、知らない人とは行きたくない。

 

そんなガイド釣行時でも、釣れない場合には少しでも気持ちが上向くように、食事やコーヒーの用意をして、目先を変えてもらい、集中力が切れないようにサポートをしたり。

 

先日の釣りでは途中メンバーにガイド役を代わってもらったが、次の世代に技術や知識を受け渡していくことを考えながら見ていた。

 

 

今度の週末もガイド釣行の予定が入っている。同行者には少しでも楽しんでもらえるようにと思ってはいるが、今回の台風の爪痕(水量と濁りも)が気がかりである。

 

吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝

関連する記事