車の免許を取ってから40年近くになる。その間釣りといえば車で出かけていた。

 

我が家からは秩父方面への電車でのアクセスがよいため、急に思い立って電車釣行を企ててみた。

 

 

駅からも近い、思いあたる場所があったのだが、生憎今日は放流日。放流日に放流魚をガツガツ釣るという行為は見ているのも嫌なので、そんな場所を避けたが、魚が薄い(というかいない)という評判の川しか残っていなかった(笑)。

テンカラに関してはドMな変態の私はその場所に決定。しかも上流部は藪だ。「藪っ被りで魚がいない」といって喜んでいるのは私の周囲にも何人もいない。でもやはり藪変態は少数ながらいる(笑)。

 

 

今日は『早朝に車で入渓』と違うので、先行者のことは考えない釣行となった。

しかも片道6キロ、標高差200メートルの歩きの後なので、開き直ってジックリやる他はないなという気持ちになる。

そう思って竿を出したのだが、釣り人はおろか魚も虫も見あたらなかった。やはり予想通りの渓だった(笑)。

 

稚魚0、走る魚0、虫は少なく藪いっぱい。こうなってくると魚が1尾でも釣れれば自分のやっていることが正しかったと思えるわけで、基本に忠実に、心折れずに丁寧に毛バリを振り続けた。

 

1時間半後。トンデモない場所(とても通常ならこんな場所まで毛バリを通さないだろうな)まで舐めるように毛バリを流していたら、ラインに押さえ込むような小さなアタリがあった。

 

 

すかさずアワセるとグイグイと引き込む生き物(生命感ゼロのところでやっていたので、なおさら生き物の感じが強調された)の感じ。ギリギリポロリとバラシそうになったが、どうにかネットインして撮影させてもらった。

 

それなりにテンカラをやってきて、一応川に立てば、自分が悪くて釣れないのか、魚はいるけど食わないのか、本当に魚がいないのかくらいはなんとなくわかるようになっている。今回の渓は本当に魚がいないという感じが強かったので、釣れた時の感動も強かった。単独行だったので、久しぶりに魚が釣れて声を上げてしまった。撮影後はお礼をいいつつリリース。

しかも『はじめてのおつかい』ならぬ、はじめての電車釣行である。この1尾で大満足。それ以降は竿を出すより上流の探査に切り替え、午前中で渓を下りた。

 

下山後は駅前で目玉をキョロキョロとさせ祝杯を上げる店を探す。

ビールと『みそポテト』でヤマメに乾杯。

 

薄い魚影と藪の中、自分の持てる引き出しを開け閉めしてどうにか釣りあげた魚。同じ1尾でも感動は全く違うことを実感する釣行となった。

 

帰りは旅気分を盛り上げるため、敢えて特急券を購入した。帰宅して道具を片付け、ゆっくりと風呂に浸かり、今日の釣行を振り返り、自己満足の極地となる。

 

そして山から汲んできた名水でひとり二次会に突入。 1尾しか釣れなくても、「1尾だけでも釣れた!!」と思える感動の釣行というものもある。 さてさて、喜んでいるのはこのくらいにして、明日は奥多摩のTOKYOトラウトカントリーで毛バリ研究会の開催日。祝杯を上げ過ぎないようにして、準備に取り掛からないと(笑)。

 

吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝

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