釣行予定が立った直後から、釣り場を想定し、毛バリの検証をするために慌しく毛バリを巻くのを常としている。

 

常としているというより、日常生活が忙しく、追い詰められてから無理やり時間を作って毛バリ巻きをしているので、毛バリ巻き自体が義務の様になり、巻いていてもちっとも面白くない。

 

依頼されて販売用の毛バリを巻く時も同じ気持ちで、この時は精度や量産した場合の均一性をメインに考えるため、妄想たくましくあれこれと考えて作る毛バリ巻きの時とは心構えが違うので、これまた楽しい行為にはならない。

 

しかし元来毛バリ巻きは大好きな行為なので、時間と気持ちに余裕があるならば、私にとってその行為は至福の時間ということになる。

 

この週末は日曜日にトラウトカントリーの毛バリ研究会が入っているため、家族サービスデーに充てるのは明日。

明日は特に予定を立てていないので、今夜は遅くまで自分のやりたいことができる時間的余裕があった。

 

そこで久しぶりに気の向くまま、じっくりと毛バリを巻いてみた。

 

 

ウイング付き『現代版ハチガシラ』の毛バリ。サイズは14番。

 

水面〜直下を流す毛バリで、ボデイは細めに作って、お尻を下げて斜めに浮かぶフォルムで作っている。

お尻を下げて…にしてあるのは、毛バリを流すレンジから、下から突き上げるように出てきて毛バリをくわえた魚への、フッキング率を上げるようなイメージで。

 

この答えが合っているか間違っているかはどうでもいい。どうでもいいというより試す行為が楽しいのだ。

 

このようにひとつひとつの毛バリに理由付けをして、それをフィールドで試す。そして「やっぱり合ってた」とか「思っていたのと違う」とか、自己検証を繰り返すことが本当に楽しいのだ。

 

テンカラに慣れないうちは、他人からあてがってもらった情報で釣りをするのがよいと思うが、やはり徐々に自分軸にシフトしていき、自分自身で検証を重ねて自分のテンカラを作り上げていくことが、この釣りをやる上で至上の喜びではないかと私は思っている。

 

吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝