(尾瀬らしい写真)
暑さと湿度と喧騒が嫌い。
なので夏場は静かな渓に入るのが好きだ。
30数年前のこと、一度は訪れたいと思っていた尾瀬に、シーズンを外して出かけた。
当時の吉田青年がテント泊で背負ったザックの重さが28キロ。
今はそんなに背負えない、20キロで抑えるようにしているが、当時はギアも軽いものがなかったし、あっても高くて買えなかった。
(靴は巣鴨のゴローさんで作ってもらった。ストーブも軽くなりました)
当時は三平峠を超えて尾瀬沼にいったが、草紅葉と言うか、冬枯れ一歩手前の景色だった。
「心の琴線に触れる」という言葉があるが、人も少なく、静寂で透き通った空気の中のあの風景が、まさに私の心にブッ刺さった。
(この静寂。たまりません)
いつか再訪したいと思っていたが、仕事、家庭、子育てと、年齢と共に忙しくなり、気がつけば30数年が経過していた。
今年は諸事情で入渓回数は少なかったが、仕事も忙しくなく、車も新しくなり、子供たちも手が掛からなくなってきたので、「年も年だし、自分のやりたいことをやり、そのために体力作りもして、欲しい道具は好きなように買う」と、リミッターを解除することにした。
(天気もよく、冠雪も見ることができた)
で、雨予報と雨予報の間のポッカリと晴れた昨日、新しい車で車中泊も楽しみながら、実に30数年ぶりに尾瀬に再訪してきた。
普段の行いがよいので天気は快晴(笑)。
普段の10キロランニングの効果で身体も絶好調。
カメラを2台と三脚も担いで、まる1日大好きな季節の尾瀬を楽しんできた。
(お約束の映り込み)
今回は鳩待峠まで自分の車で上がったが、唯一ヤバかったのが早朝の凍った木道の下りで、目の前でギャグ漫画のような『1度宙に浮いてから落下する』という大転倒を何度も目撃した。
自分も滑らないように歩いたが、ツルツルの木道には勝てず、1度強かに尻餅をついてしまった。
ビックリしたが何も異常がなくてよかった。
帰路は木道もすっかり落ち着いたので、ランニングの効果もあり、グイグイと鳩待峠まで戻ることができた。
念願の尾瀬再訪、惜しむらくはもっと画角の広いレンズを買っておけばよかったと思った。
広大な尾瀬の風景を切り取るには、APSCの15ミリではもったいない。
というわけで、10-17ミリのフィッシュアイレンズを帰りの車中からネットで注文してしまった。
(穏やかである)
何でもいいけれど充実した毎日。
人生は楽しい。
(体調は万全、体力もついた)
吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝