24日の土曜日は、今年から始めたクライミングでお世話になっている、2人の先生を群馬県の管理釣り場にお誘いした。
自然渓流、特に源流域での釣りの時期とは違い、寒さも気になるこの季節、女性であればなおさらで、食事、暖房、トイレ等の設備がしっかりしている場所なら安心して連れていくことができる。
源流釣りに出かけた時は常に本番、千載一遇のバイト(アタリ)にアワセを入れ、取り込みまでの一連の動作がスムーズにできないと取りこぼしてしまう。
落ち着いて考えればわかることで、自然渓流では、「アプローチからキャスティングまでの練習」しかできないのだ。
例えできたとしても、多くの入渓回数と、長い時間がかかってしまう。
毛バリについてもそうだ。
自分で毛バリを作り、色、形、サイズ、比重等の多くの事柄を自己検証していかないと、いつまでたっても理解できない。
私が常々「実戦の時に役に立つので、釣り場(この場合は自然渓流)以外のところで練習をしなさいよ」と言っているのには、こういった理由があるからだ。
そのようなわけで、攻守が逆転した先生と生徒で、テンカラ釣りの練習をたっぷりと楽しんでもらった。
○どのような水深で魚が餌を捕食しているのか。
○毛バリをくわえた魚はどのくらいの時間で吐き出すのか。
○時間によって(餌となる虫の状態)魚の捕食範囲はどのように変わるのか。
○流れの強弱で魚は毛バリをどの程度見切るのか。
○アワセのタイミングから取り込みまでの一連の動作はどうすればよいのか。
これらのことを伝えながら半日を終えた。
2人とも手首が痛くなるほど魚を相手にしたが、その内の1人は午前中の最後に50センチを超えるニジマスを釣り(10分以上かかった)ご満悦だった。
昼食にはようやっと始まった新そばに舌鼓。
釣った魚も唐揚げにして食べてもらった。
再生能力に乏しい河川の天然魚は、持ち帰ればあっという間に激減してしまう。
なので、いつもリリースをしているが、放流魚はその限りではない。
特にこういった管理釣り場の魚であれば、大手を振っていただくことができる。
できればみなさんも天然魚はリリースし、渓流魚を食べるなら管理釣り場でとしていただければ、魚族は守られ釣り場は潤うということになるのだが。
楽しく過ごした翌日は、奥多摩のトラウトカントリーで毛バリ研究会の講師をやった。
みなさんが毛バリを一心不乱に巻いている状況なので、落ち着いて毛バリを巻くことができる。
そこでこの日は吉田毛鉤二代目姉妹を連れ出し、販売用の毛バリの下請けをさせた。
小遣いがかかっていると毛バリの完成度が違うのは親譲りか(笑)。
教室が終わり、ランチはパスタとスペアリブをいただいた。
コンビニのおにぎりではなく、こういった食事も楽しめるので管理釣り場はありがたい。
食後二代目姉から「部活三昧だったので、たまにはテンカラをやりたい」とリクエストがあったので、私の愛竿の「金剛てんから」に自分で巻いた毛バリを結んで釣らせたところ、釣りにくい状況の中、なかなかのサイズのニジマス(35センチ)を釣って喜んでいた。
オフシーズンでもテンカラを楽しめる場所はあります。
私はオフも道具や毛バリの検証があるため、ひたすらカンツリ通いを続けていますが、楽しめるだけでなく練習にもなるのでおすすめします。
さてさて、これから私も今週末の行き先を考えたいと思います。
(秋色に染まる赤久縄の肥えたニジマス)
吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝