釣果情報は真に受けない

 

 以前雑誌の連載時(毛鉤異魚種行脚という企画で、テンカラのシステムで淡水海水問わず、何魚種釣ることができるかというのをやっていた)、毎回のように初めての釣り場にいくことになったので、その都度各方面から情報を集めて取材を受けていた。

 しかし、本当にこの情報に何度も苦しめられたのである。

 

 たとえ好釣果の時と同じ条件(天候気温水温水質水量風向餌料活性等々)であったとしても、私たちの見たり感じたりすることのできない何かのファクターが別の方向に働くと、同じ条件でも釣れなくなってしまう。

 

 情報を提供している側がいいかげんなことをいっているわけではない。本当にその時にはそのような釣果があったわけだ。これは私が情報を出す時も同じである。釣りという生き物を相手にしていることをやっている以上、このことは仕方がないことだ。

 
 同条件ではないのだから、他人の釣果と比較する必要もない。その日その時の釣り場と魚の状況や状態を判断し、自分で対応策を考え、それででた答えに自分で一喜一憂すればよいと思っている。

 

 私がいつも入渓している場所でも、他人の釣果は本当にあてにならない。あてになるのは釣り場の状況のみ。釣り場の情報はしっかりと入手しておくと、色々と役に立つことがあるし、危険回避にもなる。

 

 それでも他人の釣果に振り回され「スケベ根性丸出しで撃沈〜」などということもある。ということで、私もまだまだ人間ができていないのであった(笑)。

 

 吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝

 

ドライフライを見上げてみれば

 もう何十年も前から自分で巻いた毛バリを使っているが、巻き終えてケースに並べてあるものと、実釣に使って水に浸かったものを比べると、当たり前だがその違いに一喜一憂してしまう。

 予想通りになっているもの、ぬれてしまうと想像と違うものと様々なのだが、つり人社刊DVD「テンカラ一尾釣るまで塾。」の撮影時、毛バリを水中で動かしたところを撮影するという部分があった。
 その時にモニターを見て思ったのだが、やはり自分の頭の中でイメージしていたものとは大きく違っていた。

 自分の経験からなる私的考察となるが、水中で使う毛バリと水面で使う毛バリでは、そのコンセプトを大きく変えて作っている。
 水中(で使う毛バリ)では水中なりの、水面(で使う毛バリ)では水面なりに、作るべきキモの部分が違うのである。
 その細かい部分は私がTTCで講師を務めている「毛バリ研究会」で詳しく解説しているので、興味のあるかたはその時に質問してください。

 で、今日は水面で使用するドライフライの話になるが、トビウオと違って渓流魚はいつも空を飛んでいるわけではないので、通常の捕食体勢は水中から水面に向かうということになる。水面で使う毛バリはいつも下から見上げられている形になるわけだ。
 
 出来上がった毛バリを指でつまんで腕を高く掲げ、下から見ること程度は誰でもやっていることだとは思うが、これとて空気中で見るのと、実際の水面に毛バリを置いて見るのとでは、そのイメージは大きく違うわけで・・・私は時々写真のようなケースに毛バリを浮かべ、下からケースを覗いたり、鏡に映してその毛バリのシルエットを確認している。


(ウイングパラシュートを水面に浮かべて)

 週末の毛バリ研究会にはこのケースを持参するので、ご自身のドライフライを確認してみたいかたはおっしゃってください。


 吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝



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三寒四温の春の釣り(水温の変化)

 今週末の土曜日(11日)は月に1度のテンカラ教室の開催日。
 この教室の座学中にも、釣りに関わる気温水温の話をさせていただいているが、今期何度か入った渓でも、全日からの急激な(水温)変化に戸惑うことがあった。
 そんな状況でも、こちらの引出しを数多く用意しておけば、なんとか対応し魚を釣ることができることになる。

 細かい釣り方は、ひとによって入る渓(渓相、川幅、水深、水圧)が違うので、一概に解説をすることはできないが、大きな部分としては、
「水温の変化によって水生昆虫の動き(流下)が変わるので、魚もそれを追って定位している水深を変えるので、それに合わせた釣りをする」
ということになるわけだ。

 「このくらいの温度なら渓流魚を釣るのに適水温です」
と言われても、その温度は絶対的温度ではなく、それまでの温度との相対的関係で、魚(水生昆虫)の活性が上がったり下がったりするわけで、やはりそれぞれの状況に応じた釣り方や道具というものを用意しておけば、どうにか魚の顔を見ることができるということになる。

 自分の釣り方に合った魚を狙って釣るのもよし。
 狙った魚に合わせて自分の釣り方を変えるのもよし。

 これはひとそれぞれの好みの問題なので、好きなやり方でテンカラを楽しめばよいのだが、私の場合は春夏秋冬、カンツリから源流域、はたまた海までテンカラを楽しむことがあるので、魚に合わせて色々な準備をして釣りに出かけている。


●お知らせ
TTC(TOKYOトラウトカントリー)より、
4月18日(土)開催の「テンカラ名手を偲ぶ会」についてのお知らせがありました
詳しくは
コチラを⇐クリックしてください
テンカラ教室は11日(土)
毛鉤研究会は26日(日)
となっております
教室の詳細(お申込み)については
コチラを⇐クリックしてください
以上よろしくお願いいたします


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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上はサラサラ下はヌルヌル(入山届のススメ)

 「上はサラサラ下はヌルヌルってな〜に」
 
 なぞなぞではなく、今年の奥多摩の渓のことだ。

 
土曜日の釣行時のこと、例年入渓している場所へ仲間と出かけたのだが、入渓路が崩落していた。

 カラカラに乾いている奥多摩の山々は、どこも登山道の崩れが多いようで、その崩れた跡は乾いた土や砂がむき出しになっていて、靴底で蹴り込んでステップを切ることもできないような、まさにアリジゴクの巣のようなサラサラの状態になっている。
 
 渓は渓で今年は茶苔が多く、例年通れるゴルジュが、あまりにも滑ってステップが取れなくて抜けられなかったり、何でもないところでツル〜っと滑って転んだりする。

 通常の山歩きでも危険は付きものだが、私たちのように釣りを目的として山岳渓流に入るとなると、メジャーな登山道のように沢山の人に会うこともなく(人に会わない登山道もモチロンありますが)、一度何かあれば、次の釣行者や沢登りの人くらいにしか発見されることもないことになる。

 里川や一般渓流ならいざしらず、山岳渓流は本当に心して出かけなければならない危険を孕んだ場所である。

 そこで私たちは入山届(登山届・入渓届)を提出してから渓に入っているのだが、この届はその山塊のある各自治体のHP等から入手できるし、提出用のポストにも備え付けてある場合もある。
 記入方法やフォームも法律で決められているわけではないし、記載する内容(登山者の情報、目的地、日時、日程、装備、食料等の情報)がキッチリと誰にでもわかるように書いてあれば良い。
 届を出すことにより、事故や遭難に合った場合の捜索への大きな指標になる。
 自分自身が1分1秒を争うような事態になったことを想像すれば、提出する理由は良く理解できるハズだ。 



 諸般の事情で届を提出できない場合でも、「いつ」「どこに」「どんなルートで」という情報は、家族や仲間にキッチリ伝えておくようにはしておきたい。
 当吉田毛鉤会でも会員専用のサイトがあり、入退渓の情報は常にメンバーと共有するようにしている。
 これも全ては「安全に釣行すること」を第一に考えているからである。



 他にも緊急時に役に立つ持ち物に、持参する食料の考察もあるが、それはまた別の機会に書いてみたいと思う。

 いずれにしても入退渓時、そして渓での釣行時は、1度のミスで命を失うようなこともある。

 解禁してひと月、これからテンカラの盛期に向かうが、くれぐれも注意して入渓していただきたいと思っている。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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低水温時の毛バリ釣り



 「三寒四温」

 文字通り先週ちょっと暖かかったかと思えば、ここ2〜3日の早朝の気温など、真冬並みの寒さになっている。
 
 こうして季節はじわじわと春へと向かっていくのだが、渓はまだまだ寒さが厳しい。
 来週は暖かくなるようだが。

 6日に入渓した奥多摩の渓では、標高700メートル付近を釣り上がったのだが、この時期の小渓流では、流れに被さる枝に気をつけなけらばならない。
 被さる枝は、新芽もまだまだで「葉」が1枚も付いていない。
 一見毛バリを振りやすそうだが、「枝」に毛バリがひっかかった場合の回収率が悪いのである。

 夏場は枝に毛バリがかかる前に、生い茂る「葉」にひっかかる。
 この葉は柔らかいため、切れて毛バリを回収できることが多いのだが、寒い季節の枝だけになったところにひっかかってしまった毛バリは、よほどその枝が細くない限り、折れて回収できる確率が低くなってしまうのだ。

 その話はまさに「枝葉」だが、低水温時の毛バリ釣りの本題は、やはり「水深」ということになる。

 最盛期の釣りでは、水面や水面直下だけで勝負することも充分可能だし、魚が毛バリをくわえるところの見える釣りは実にエキサイティングでもあり、私も大好きな釣りである。

 しかし、エサとなる水生昆虫の羽化も見られず、捕食対象が水中を流れてくるものの限られてしまうような状況では、やはり水深をしっかりと意識して毛バリを流さないとならない。

 キャスト後にラインにスラックを入れる、ハリスをしっかりとたるませて、ハリスが受ける水圧で毛バリが浮かないようにする、ウエイト入りの毛バリを使う等々、色々な方法があるが、いずれにしてもラインやハリスにテンションがかかると毛バリが浮いてきてしまうため、そうならないよう竿を操作する必要がある。

 問題はアタリをどのように取るかということになるが、基本的にはラインの変化を見逃さずにアワセを入れるということになる。
 
 寒い時期でも時合によっては、毛バリを浮かせて釣りをする時もある。 
 
 山岳渓流から管理釣り場まで、寒くても暑くても、一年中いつでもテンカラを楽しみたいと思っている私。
 他にも色々と低水温での釣りに対する方法を持っているが、それはまた別の機会に紹介したい。

 低水温の釣りについては
コチラにも⇐


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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テンカラで使うイトの話



 長いことテンカラ教室の講師をして、かなりな人数の参加者の方々の釣りをみせていただいた。
 ご参加いただく方の中には、ご自身で釣り道具を持参されるかたもいらっしゃるのだが、なにもわからぬ中で用意された道具のバランスがとれていなくて、実に釣りにくそうにしている方も多い。

 ネット通販で用意されたのならまだしも、店舗で、しかもあまりテンカラに精通していない店員に相談の上あてがわれた道具などの場合、バランスが取れていないことが多い。
  カタログスペックやパッケージの表記だけを参考にしてるだけで、その道具の本質を理解していずに販売しているのだろう。

 例えば釣り竿ひとつとってみても、店内で伸ばし、振ってみたり天井に押し付けてみたくらいでは理解できるものではない。
 やはり実際にラインを付けて、しかも水のある場所で魚を釣ってみないことには、その竿がどうのこうのなどとは、おこがましくて語ることなどできはしない。(私の場合インストラクターという立場上、色々話をしなければならないこともあり、このような理由ゆえにかなりな量のテンカラ竿が自室に溜まり込んでくることになる)

 もちろんテンカラに使うイト(ライン)も同様で、ある程度は理解してきてはいるが、とても「こうだ!」などと結論などでるものではない。
 馬の尻尾からテーパーラインなども自作し、フライラインからレベルラインに至るまで使い、ライン工場に見学にいっている私でさえ、いまだに毎日のようにイトについて考えているのである。
 
  つまりそれなりに勉強しないことには、他人様に説明することなどできないと思っている。
 ということで、現在発売中のつり人社刊、別冊「渓流2015春」には「テンカラで使うイトの話」を、今まで私が考えてきた範疇でのことになるが、解説をさせていただいた。

 「これから始めてみようという方」
 「イトに迷いが生じているという方」
 「どんな種類があるのだろうかと気になる方」

 この記事が、そんなみなさまの少しばかりの参考にでもなれば幸いである。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝





こういった詳しい道具の話も含めたテンカラの解説も、
TTCのテンカラ教室ではお話しさせていただいています
今週末
14日(土)テンカラ教室も、みなさまのご参加をお待ちしております


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「居食い」ということ


(粘土細工も大好きです)

 釣りをやっている人ならご存知だと思うが、
「居食い」
という言葉がある。

 通常は魚がハリががりした後、違和感を感じてその場所から動く(走る・泳ぐ・暴れる・跳ねる等々)のだが、魚が定位している場所で「エサ」や「ハリ」に食いついたにもかかわらず、その場所から動かないことを「居食い」と呼んでいる。

 シーズン中はストラクチャーにガッチリ付いているイワナ以外は、あまり居食いをするような魚に出会うことはないのだが、魚の活性が低下しているせいだろうか、渓流でも冬場の管理釣り場ではよく起こる場合がある。

 先日のシャロムの森の釣行では、かなりな率でこの居食いする魚を相手に釣りをしたのだが、いつもは元気で素早いヤマメですら、チャッカリというか動けないのか、口に毛バリをくわえた後もジッとしていて、こちらがハリスにテンションをかけるまで動かない奴がいる。このような状況なので、魚たちが横っ飛びに元気に毛バリに出てくれることもなく、魚の定位している場所をキッチリと見極め、寸分狂わぬ精度で毛バリを流さないとならない。要するにレーンやゾーンが大きく(というか小さくでも)ズレてしまうとなかなか毛バリをくわえてくれないことになるので、いくら魚がゆっくり毛バリをくわえようとも、いくら居食いしていようとも、釣りそのものはかなりシビアなことになるのだ。

 しかし、これは大いなるチャンスなのである。ポイントの見極めがハイシーズンよりシビアであり、毛バリを流す(通す)べきレーンやゾーンも、より一層丁寧に見極めて流さないと魚が釣れない状況で釣りを続けていれば、シーズン中の魚を相手にする時にはどうなっているか、火を見るよりも明らかとなる。

 ということで私にとってオフの期間は、自宅でぬくぬく毛バリを巻いて過ごすのみならず、大いに研鑽を積むことのできるありがたい季節でもあるわけだ。ただひとつ、それもこれも時間的余裕がなければどうにもならないことなので、これが大きな悩みの種になっているのは致しかたないことなのだが。。。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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私の最重要課題(毛バリをきれいに流すということ)



 一応それなりにテンカラをやってきた。僭越ながら教室という場で、他人様にテンカラの解説もさせていただいている。毛バリのほうでも教室を持ち、そこで講師もさせていただいている。そういったことがキッカケとなり、メディアでも取り上げられるようになり、動画などでもテンカラや毛バリの説明させていただく機会もあった。雑誌の取材を受けることも多くなり、私の場合はホームでの仕事というよりも、初めての場所で「ここでお願いします」という形が多い。そんな初めての場所で的確に状況に対応するには「感覚」のみならず「理論」でもそれなりにテンカラを考えていかないと、なかなか答えを出すことができなかったりするわけである。

 自分が初心者だった頃を振り返るが、私の場合はフライフィッシングの下地があったこともあり、キャステイングや毛バリ巻きに関しては特に悩むような問題もなく、すんなりとテンカラに入れたのだが、やはり当初はポイントの読みが甘く、毛バリのの流し方や操作も上手にできなかったため、思うような釣果は出すことができなかった(このことはある意味今も変わらないが)。その後、良き師を得て、そこに起きた疑問を解決するアドバイスを受け、自分なりに努力しているうちに、同じような状況の場合でも、以前は1尾しか釣れなかったのに、2尾から3尾へと結果も徐々に出すことができるようになってきた。当然実戦だけでなく、理論的にもずいぶんと勉強してきたつもりだ。

 こうして色々と試行錯誤を続け、自分なりに自分のテンカラを向上させてきたつもりではいるのだが、とにかくどんな時でも私の中で一番重要な課題となっているのが、「いかに毛バリをきれいに流すか」ということになっているのである。

 キャスティングで思うところに毛バリを打ち込んでも、竿の操作がおぼつかなかったり、意図しない方向にラインの抵抗がかかってしまうと思ったように毛バリを流すことができない。毛バリを操作したり止めたりする場合も、キャスト後のハリスやラインの入射角、竿と穂先の位置、その竿を保持する角度等々、それこそ多くの事柄が一致しないと自分の考え通り毛バリを流すことができないのである。

 ましては私の好む釣り場は藪っかぶりの場所が多く、バックスペースが取れないこともあり、ポイントの読みから立ち位置を考え、毛バリを引っかけないように障害物を避けながら空間認知したキャストをし、竿を思うように立てられないような状況で釣りをしなければならないので、この「毛バリをきれいに流す」ということが永遠の課題と思われるほど、その技術の習得に、長くて大変な労力(という名の楽しみ)を強いられてくるのである。

 その釣り場の形状から、階段状のポケット打ちなら、毛バリを打って直ぐに魚が出るから、毛バリは流さなくても大丈夫かと思ったことも過去にはあったが、そのスペースが例え30センチの長さ(短さ)であっても、やはりきれいに毛バリを流せた場合は魚がしっかりと毛バリを口にくわえることが多いため、バレ率も低く抑えられ、手にすることができる魚が多くなってきたことを感じたのである。

 「いかにして毛バリをきれいに丁寧に流すことができるか」 

 このことが私のテンカラの、終わりなき最重要課題となっている。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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吉田毛鉤の沢テンカラ講習会
(本日のブログの写真は、全てメンバーのとくじろうさんからいただいたものです)




 内輪ネタになるが、昨日は奥多摩の支流にて、『メンバー限定・ステップアップ編』ということで、奥多摩の小渓流での釣り方の講習会を開催した。



 今回は総勢6名ということで、小渓流といっても私がいつも好んで入る渓に比べれば本流のような広い場所を選び、体育館というか大広間という雰囲気での講習となった。



 小渓流では長い仕掛けが使えない。頭上に被さる木々と、張り出す枝で9割以上がサイドキャストの世界でもある。頭上も障害物が多いので大きな動作をするとたちまち毛バリを食われてしまう。そのことから必然的に低い位置でのサイドキャストが中心となり、川幅も狭くポイントも小さいために、コンパクトで精度の高いキャステイングが要求される。水深の変化もそれほどではないくせに、水面、水面直下、中層に底釣りを使い分けないと魚を引っ張り出すのがやっかいな状況も多々あり、激戦区ということもあるので、考えなしにただ思った場所に毛バリを振り込むだけでは思うような釣果に恵まれないことになる。



 そこで実際の渓での釣り方の説明と、参加者ひとりひとりの釣りを見せていただき、個々にアドバイスを差し上げることにした。



 掛け値なしに感想をいわせていただければ、失礼ながらみなさん私が想像していたよりずっと上達しており、この沢でのテンカラを知ってから、いかにこの釣りにのめり込んでいたのかを知ることができた。冗談抜きに将来が楽しみである。



ここからは個別にひとことを。(順不同)

〇横浜のNさん・・・水面に毛バリを浮かせて釣る釣り方、キャストから毛バリの流し方に至るまで、セオリー通りキッチリと自然にできています。ご自身でも理解されていると思いますが、ケース・バイ・ケース、今後は状況に応じた釣りができるよう、水面下の釣りを憶えることが課題だと思いました。

〇きょ→じさん・・・ラインとハリスのシステムは私と同じでロングライン(もちろん藪での話ですが)派で、アップストリームキャストも綺麗に決まっています。今後はナチュラルドリフトからドラグドリフトを、好みのズームロッドの利点を駆使して練習してみてください。ドラグをかけて流す場合は竿を伸ばせばより竿とラインの角度を保ちやすくなります。

〇ナベちゃん・・・さすが閣下のお伴をして渓を釣り歩いているだけあり、この短期間で、キャスティング、流し方、ピックアップ時の空アワセ、そして沢を歩く足取りと、叩き上がりの釣り方は問題ないレベルに到達しています。今後はそのポイントにより、もう一呼吸長く毛バリを流して魚をヒットさせる『間』を作ることと、深い場所まで毛バリを流す釣り方を習得すると引出しの数が増えると思います。

〇とくさん・・・しばらくブランクがあった割には、キャステイングもしっかりとしていました。「フルサイズのカメラを担いだことにより、渓での足運びがより慎重になりました」とのこと。渓で使うものは個人個人で好みの問題があり、重いからという理由で持ち込まないという手はないので(もちろん私も渓での撮影は大好きなので)、それをどう対処するかを考えればよいのです。『カメラを持つことにより足運びが丁寧になった』これはこれで素晴らしいことだと思います。後はもう少し体力と持久力の増強をしましょう。歩ければ歩けるほど、ご自身のテンカラは有利になります。

〇MKさん・・・今回もお付き合いご苦労さまでした。今年の課題は毛バリを沈め、そのレンジごとに流し分けができるようにとのこと。他の面は特に問題ありませんので、課題の『底釣り』に精進ください。




 今回の講習では私もいつものカンツリでの講習と違う、多くのことを学ばせていただくことができた。他人の釣りを見ることにより、自分自身の釣りを見直すこともできる。これは自分だけでやっていては叶うことではないので、今回はみなさんとご一緒に楽しい時を過ごせたこともあり、やはり仲間の重要性をひしひしと感じることになった。



 個別の釣りを見て、そのひとそれぞれに合ったアドバイスをするのは、こちらも責任を感じながらになるので正直大変である。しかも自然相手なので、定石やセオリーが通じないこともあるのでこれも大変なのだが、ほんの少しでもみなさんのテンカラの向上にお役に立てればと、頑張ってやらせていただいたつもりだ。



 あらためてお疲れさまでした。そしてご参加ありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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テンカラ教室の内容に頭を悩ませる

 7月6日(日)は第53回目になるTTCテンカラ教室の開催日となる。この教室も5年目に突入し、暑い夏から雪の日まで、おひとりさまから親子でカップルで、ご参加いただいた多くの方々にテンカラを知っていただくことができたと思う。
 しかしながら、一度に大勢の方のご参加となるとその経験や技量(全く釣りをしたことのない方・ちょっとだけやったことのある初心者・これからのめり込んでいこうとしている初心者・ある程度テンカラをやったことのある経験者の方)に差があるため、こちらの話にどこまでご満足いただけているか、教室終了後は釈然としない気持ちでいっぱいになっているというのが本当のところだ。 

 教室終了後、特にフィードバックやサーベイをしていないので、受講者の方々がどのように感じているのかこちらとしては確認のしようがないわけで、そんな中、ご丁寧に感想をコメントに入れていただける方もいらっしゃるのでこれは本当にありがたいことである。まぁ今の吉田毛鉤会のメンバーは、みなこのような感じで私と関わりを持っていただき、そこからメンバーにお誘いした方たちばかりだ。
   

 受講者の方々は、そのレベルに応じて私の話している内容の理解度が違ってくるのが当たり前で、初心者の方には『難し過ぎる内容ではないか』、経験者の方には『そんなことわかってるよ』と思われていないかと、いつも頭を悩ませているのが現状である。あまりにも簡単すぎる説明では経験者の方には物足りないだろうし、ディープな内容では初心者の方には何のこっちゃになってしまう。参加者の経験値が違うのだからどうしようもないことのだが、この辺りのことは、導入編とステップアップ編に教室を分けるとか、今後もう少し突っ込んで考えていかないとならないところだ。

 私がいつも釣りに行っている奥多摩エリアは、入渓者も多い激戦区でもある。こういった場所で釣りをするには、やはりそれなりに釣り方というものを研究しなければ思うような釣果は得られない。天候、気温と水温、流下物、水況、入渓者や先行者の有無、その他考えうる幾多の状況の変化に合わせ、毛バリに仕掛けに釣り方を変え『ケース・バイ・ケース』の釣りをしないとそこにいる(であろう)魚に対応できないこともしばし起こりうるということになる。

 そういったディープな話は、月に1度の毛バリ研究会でもみなさんとお話ししているので、興味のある方はご参加してみていただきたいと思っている。それはそれとして、吉田毛鉤会の新しいメンバーには、この夏の間にいつもみなさんも入渓している奥多摩の渓(場所は未定)で、初心者からのステップアップ、イワナとヤマメの生息している渓相に応じた、仕掛けに道具に釣り方の説明をしながら階段3段飛ばしの特急講習を開催したいと思っている。吉田毛鉤会も発足して5年目になったこともあり、ここまでやってきた私の釣りも、ある程度システマチックに考えがまとまってきたこともあるので、じっくりとお話ししたいと思っている。

 明日は吉田毛鉤会のメンバー達と、慰労会という名の飲み会がある。熱のあるテンカラトークは忘年会だけでは物足りなく、半年に一度に開催日を増やしたので、普段の憂さ晴らしも兼ねて盛り上がる予定である。


 


吉田毛鉤 吉田毛鉤会代表 テンカラインストラクター 吉田孝


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