ここ半年間、私のテンカラ関連の教室にご参加いただいた方から「毛バリを自分で作ってみたい」という声をけっこう頂戴している。
常設の『毛バリ研究会』にご参加いただければ、道具の選び方に買い方に取り扱い、実際に作るところを見ていただき、その場でご指導もできるのだが、昨今の状況ではそれもいつになるのかわからない。
STAYHOMEということもあるし、私も時間があったので、あらためて基本の毛バリ巻きの写真を撮りアップしてみた。
1.ハリをバイスにセットする。ハリ軸はテーブルと並行に
2.スレッド(糸)をハリに掛ける。左手で引っ張った糸の上にボビン(糸巻き)ホルダーのノズルから出ている糸をかぶせるようにのせると糸が固定できる
3.スレッドを時計回りに巻きながら後方に進み、さらに巻きながらハリの腰の手前で折り返し、写真の位置まで戻ってくる。余った左手の糸は切り捨てる
4.ボデイ材(写真はダビング材・綿状のものなら何でも可)をスレッドに縒り付ける。一度にたくさん付けないこと
5.縒り付けたダビング材とスレッドを一緒に持ち、ハリ軸に巻き付ける。巻く方向は最初から最後まで時計回りで
6.ダビング材を何度か取り付けてハリ軸に巻き、好みのボディの太さに仕上げる
7.はみ出たボデイ材をハサミでトリミングする
8.整えた羽根(写真はキジ・ソフトハックル)を、ボデイの始まる部分にスレッド2〜3回巻いて固定する
9.固定した後、余った先端部を切り捨てる
10.切り取ったらスレッドを何回か巻く
11.指で蓑毛(羽根・ハックル)をハリの後方に向けてたたむように倒し、時計回りに羽根をハリ軸に巻き付けていく
12.巻き終えたら羽根の軸を持ち、この軸をスレッドを巻いて固定する。羽根もスレッドも、巻く方向は全て時計回り
13.羽根の軸をしっかり固定できたら切り落とす。スレッドを切らないように注意
14.ハーフヒッチャー(ボールペンの軸を抜いたような形)でスレッドを手前からすくい上げるように拾い、ハーフヒッチャーに巻き付ける
15.ハーフヒッチャーの先端部をハリのアイ(頭の部分)にかぶせ、スレッドを左にずらしながらハリ軸に落とす。それを数回繰り返しゆるまないように固定する
16.スレッドを切り、接着剤を滴下すれば完成なのだが、ヘッドの色を変えたい場合もある。その場合は別の色のスレッドを用意し、巻き始めと同じように固定し巻き進める
17.フィニッシュしたらヘッドセメント(毛バリ専用接着剤)を染み込ませるように着ける
18.沈み(ウエット)タイプのテンカラ毛バリの完成
以前ブログで解説したのが以下の記事で、2010年だった。
10年ぶりで写真は綺麗になっているが、内容はほとんど変わっていない。
http://yoshidakebari.jugem.jp/?eid=117
こちらはHONDAさんのサイトで『逆さ毛バリ』の巻き方を解説しています(参考まで)。
https://www.honda.co.jp/fishing/skillup/tenkaraflies/
こんな世の中だが、自宅にいる時間がたっぷりとあることを喜ばしいと捉え、じっくりと毛バリでも巻いて気分を上げてみてはいかがでしょう。
吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝