先日のテンカラ教室を終え、ランチをいただいた後は、多摩川水系から秋川水系に車で移動した。

 

 
 いつも業務を手伝ってもらっているアシスタントに、小さい毛バリを使った里川の毛バリ釣りを体験してもらうため、テンカラ竿をフライロッドに持ち替え、20番の毛バリで里川の毛バリ対象魚(ウグイ、オイカワ、カワムツ)に挑んでもらった。

 


 結果は3魚種釣ってグランドスラム達成。

 


 シーズンオフの難しい(魚はたくさん毛バリにアタックしてくるが、魚体が小さくハリ掛かりさせるのが大変)ターゲットを見つけたので、解禁当初の小さな毛バリでのヤマメ釣りの練習に通い詰めようかと思った次第。

 


 

 

 

 一夜明け、毛バリ整理をして、少し小さな毛バリを巻きためておこうと、生業後ラボにてタイイングをした。

 

 ランニングと筋トレを続けているおかげで、老眼まで治ってしまった。

 

 

 最近は毛バリを巻く時も、ハリスをアイに通す時も老眼鏡は全く使っていない。

 

 使わないどころか持ち歩くこともなくなっている。

 

 次の週末もこの無敵感漂う毛バリをテストしてきます。

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 

 人間の勝手な立ち位置から『有害鳥獣駆除』の名の下に殺処分される動物たち。


 当事者ではないので、そのシステムに口を挟むことはないが、駆除している人から殺処分された動物たちを、少しでも何かの役にたたせることは出来ないかと、毛バリの材料としていただくことがある。

 

 イノシシ、ツキノワグマ、鵜(ウ)等等。

 

 今回は多摩産ニホンジカの毛を頂戴したので、カディスの毛バリとして仕立ててみた。

 


 このカディス、ドライフライ(水面に浮かべて使う毛バリ)としては非常に優秀で、フライフィッシング、テンカラ釣りとどちらの釣りでもとても良い働きをしてくれる。


 『日本の渓流魚が捕食している餌の、質量的に80%はカディス(日本名トビケラ)を食べているのではないか』という記事を読んだこともあるが、納得出来てしまうのだ。


 有害鳥獣駆除→マテリアルに加工→マテリアルとして販売→毛バリとして販売、と、多少なりとも役に立てたら良いかな、と思った次第。


 そんな材料で、3サイズのカディスを巻いてみた。

 


 実際の釣りでは毛バリのサイズが釣果に関係することが多々あるので、12、14、16番の各サイズを巻いてみた。


 週末の奥多摩のテンカラ教室では、そんな説明も混じえながら解説しようと思っている。

 

 テンカラ教室のお申し込みはコチラ↓↓↓

http://ttcmayfly.web.fc2.com/school.html

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 2年ほど前から、毎月一定数の毛バリを、メーカーさんに納めるようになった。

 

 

 毛バリを巻く作業は、気持ちが調っていないと上手くいかない。

 

 一応巻くことは可能だが、納得のいく仕上がりにはならないのだ。

 

 何が言いたいのか……納品用の毛バリをたくさん巻けない言い訳のようになってしまうが、「ハイ今すぐ何十本巻いて」といわれても、そう簡単にはいかないのだ。

 

 毛バリを巻くときに何より大切なのが、巻きやすい環境を整えるということ。

 

○落ち着いて腰掛けられる椅子とデスク

○暗いと眼が疲れるので明るいライト

○ハリやマテリアルは作る本数分事前に揃えておく

○できれば静かな場所

○巻いているうちにハリのホールドが緩まない、しっかりとしたバイス

○テレビは目線がテレビの方にいってしまうので、情報を聴きながらならラジオにする

○風はご法度なので、風の当たらない空調

○集中すると喉が乾くので、コーヒーかお茶を用意(ちょこっとつまむ甘いものも)

 

 このあたりまで準備できたら集中して仕事に取り掛かることができる。

 

 それと今回、私が毛バリを量産するときに重宝しているグッズをご紹介したいと思う。

 

 納品用の毛バリで一番困るのが『ハリスを通すアイが接着剤で埋まってしまう』ということ。

 

 そこで私はこんな道具を自作して使っている。

 

 

 マチ針を逆さにして、バルサ材で挟んで接着、巻き終えて接着剤を着けた毛バリのアイをここに刺して暫くおけば、外すときに接着剤がアイからはがれて、埋まることはない。

 

 

 それともうひとつが、マグネット(磁石)だ。

 

 

 ハリを足元に落として紛失すると、見つけるまで気が気ではない。

 

 そんなことにならないよう、マグネット付きのトレーや、ネオジム磁石の付いているピックアップツール等を使い、毛バリを巻く前にここにくっつけておけば失うこともなく、万が一足元にハリを落としたときも、磁石を使って探せばほとんどの場合見つけ出すことができる。

 

 

 他にも何件かの管理釣り場用の納品毛バリも巻いているので、気が付けば自分で使う毛バリがスカスカになってきた。

 

 

 ここ何日かは、自分で使う毛バリを楽しみながら巻いている。

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 この業界に長く居ると、各方面から「こんなの毛バリの材料になりますかね」と、手渡されることがある。

 

 

 自分の髪の毛で毛バリを巻いて魚を釣ったこともあり、今年は地上波テレビでも(超無敵クラス)女子たちが集めてきた材料で毛バリを作り、その毛バリで魚を釣らせてくれというオーダーも無事にやり遂げた。

 


 なので「私に巻けない毛バリはない」と自負している。
今日いただいたお題は、キツネ、アナグマ、ツキノワグマ、ヒグマの4種。

 


 禁漁になり、管理釣り場での釣りが増えるが、カンツリのスレた魚には、毛バリのバリエーションで対応することが多くなるため、色々な材料を使うのはとても良いことだと思っている。

 


 写真は1枚目から、キツネのゾンカー風、アナグマカディス、ツキノワ沈み、ヒグマの沈みと巻いてみた。

 

 

 この週末に使ってみたい。
 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 先日出かけた渓。

 

 数年振りの場所だったが、酷かった2019年の台風の被害もそれほど受けなかったようで、渓も荒れていなくて、魚もそれなりに残っていた。

 

 魚の平均サイズはあまり大きくない渓ではあるが、イワナのみ生息している場所だったため、開始から徐々に毛バリのサイズを大きくしていった。

 

 周囲を飛び交う虫も大きいものもけっこう見られ、色も形も千差万別。

 

 陸生昆虫が絡む夏のパターンの始まりである。

 

 毛バリのサイズアップが功を奏したようで、そこからは続けて毛バリにイワナが食いついてくれた。

 

 

 釣りをしていると手の甲にハナアブの類がたかってきて、私の汗(塩分)を舐めているようだった。

 

 じっくり観察し、サイズ感とイメージを持ち帰る。

 

 帰宅したらイメージを元に毛バリ巻き。

 

 

 私は毛バリの種類をたくさん使うのが好きなので、何十年もこんな行為を続けている。

 

『あの毛バリが釣れるとか、この毛バリが釣れないとか、そういった話ではなく、ただ単に色々な毛バリを巻いて、それぞれの毛バリで魚を釣るのが楽しいだけだ』

 

と言いつつも、数年前とあまり変わらぬ毛バリを巻いていた(笑)。

 

↓私の夏の渓の毛バリ

http://yoshidakebari.jugem.jp/?eid=1735#gsc.tab=0

 

 週末は遠征、翌週の南会津のテンカラ教室は、残席2も1になった。

 

 7/3〜7/4の教室のみ残席1あります。

 

 よろしくお願いいたします。

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 この正月は三が日が終わると月曜日。

 

 私は生業が始まる。

 

 短い正月休みであるし、コロナ禍ということもあり、 静かな年明けとなった。

 

 

 時間もあるので、三が日は毎日10キロ走ろうと決め、今日もきっちり走ってきた。

 

 

  それと正月からやらねばならぬことがあり、元旦から着手した。

 

 

 2月の末にfinetrack HIBIYAHUTで開催予定のテンカラスタートアップイベント、こちらで直売する予定の毛バリ巻きだ。

 

 

 例年年が明けると、解禁を意識し始める。

 

 解禁当初の低水温の釣りは、今の時期に管理釣り場を利用して練習しておけば、それほど困ることもない。

 

 私も次の週末から動き出す予定だ。

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 

 ここ半年間、私のテンカラ関連の教室にご参加いただいた方から「毛バリを自分で作ってみたい」という声をけっこう頂戴している。

 

 常設の『毛バリ研究会』にご参加いただければ、道具の選び方に買い方に取り扱い、実際に作るところを見ていただき、その場でご指導もできるのだが、昨今の状況ではそれもいつになるのかわからない。

 

 STAYHOMEということもあるし、私も時間があったので、あらためて基本の毛バリ巻きの写真を撮りアップしてみた。

 

1.ハリをバイスにセットする。ハリ軸はテーブルと並行に

 

2.スレッド(糸)をハリに掛ける。左手で引っ張った糸の上にボビン(糸巻き)ホルダーのノズルから出ている糸をかぶせるようにのせると糸が固定できる

 

3.スレッドを時計回りに巻きながら後方に進み、さらに巻きながらハリの腰の手前で折り返し、写真の位置まで戻ってくる。余った左手の糸は切り捨てる

 

 

4.ボデイ材(写真はダビング材・綿状のものなら何でも可)をスレッドに縒り付ける。一度にたくさん付けないこと

 

5.縒り付けたダビング材とスレッドを一緒に持ち、ハリ軸に巻き付ける。巻く方向は最初から最後まで時計回りで

 

 

6.ダビング材を何度か取り付けてハリ軸に巻き、好みのボディの太さに仕上げる

 

7.はみ出たボデイ材をハサミでトリミングする

 

8.整えた羽根(写真はキジ・ソフトハックル)を、ボデイの始まる部分にスレッド2〜3回巻いて固定する

 

9.固定した後、余った先端部を切り捨てる

 

10.切り取ったらスレッドを何回か巻く

 

11.指で蓑毛(羽根・ハックル)をハリの後方に向けてたたむように倒し、時計回りに羽根をハリ軸に巻き付けていく

 

 

12.巻き終えたら羽根の軸を持ち、この軸をスレッドを巻いて固定する。羽根もスレッドも、巻く方向は全て時計回り

 

13.羽根の軸をしっかり固定できたら切り落とす。スレッドを切らないように注意

 

14.ハーフヒッチャー(ボールペンの軸を抜いたような形)でスレッドを手前からすくい上げるように拾い、ハーフヒッチャーに巻き付ける

 

15.ハーフヒッチャーの先端部をハリのアイ(頭の部分)にかぶせ、スレッドを左にずらしながらハリ軸に落とす。それを数回繰り返しゆるまないように固定する

 

16.スレッドを切り、接着剤を滴下すれば完成なのだが、ヘッドの色を変えたい場合もある。その場合は別の色のスレッドを用意し、巻き始めと同じように固定し巻き進める

 

17.フィニッシュしたらヘッドセメント(毛バリ専用接着剤)を染み込ませるように着ける

 

18.沈み(ウエット)タイプのテンカラ毛バリの完成

 

 以前ブログで解説したのが以下の記事で、2010年だった。

 

 10年ぶりで写真は綺麗になっているが、内容はほとんど変わっていない。

 http://yoshidakebari.jugem.jp/?eid=117

 

 こちらはHONDAさんのサイトで『逆さ毛バリ』の巻き方を解説しています(参考まで)。

 https://www.honda.co.jp/fishing/skillup/tenkaraflies/

 

 こんな世の中だが、自宅にいる時間がたっぷりとあることを喜ばしいと捉え、じっくりと毛バリでも巻いて気分を上げてみてはいかがでしょう。

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 

 コロナ騒ぎで身動きが付かない。

 

 こんな時でも私の場合は毛バリを巻いて、楽しい時間を過ごすことができる。

 

 とはいえそれは自分で使う毛バリの話。

 

 販売する毛バリは作る時に気を使う&同じものを何本も巻かないといけないので、楽しさよりは大変さが勝ってしまう。

 

 この週末で50本巻こうと自分でノルマを決めた。

 

 昨夜手を付けたが、15本で寝落ちした。

 


 そして今朝は起床後に久しぶりの朝ラン。


 内職以外の予定がないため、落ち着いて走ることができた。


 いつもは走り終わったら洗濯して風呂入って食事の仕度してそれが終わったら……とやることが多過ぎて、それをどう片付けようかと頭の中でグルグルと考えが巡り、走りながらも落ち着かないのだ。

 

 時間に余裕があるのもたまにはいいものだ。


 たっぷり着込み、顔と頭を覆ってゆるランで7キロ走り、汗だくで帰還した。

 


 自分で決めたノルマだが、3ダース(36本)終えた。


 長い時間座っていると、椅子でも畳でも身体中の筋肉がこわばってくるので、タイイングベースはデスクと畳の2箇所にして、立ったり座ったりしながらの作業。

 


 教室をやっていると、よく初心者の方から
「毛バリは綺麗に巻かないと魚は釣れないのですか」
と問われることがある。


 「私は販売することもあるので丁寧に巻いていますが、一般の方は心配ご無用、テキトーに巻いた毛バリでも釣れる時は釣れます」
と、あまり答えになっていない返事をしている。


 そうなのですよ。


 私が綺麗に揃えて毛バリを巻いているのは、『魚』を釣るのではなく『人間』を釣るためなのです(魚もよく釣れますけどw)。

 

 今日も充実した1日だった。

 

 明日も楽しくがんばりましょう。

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝
 

 先ずはR40指定(40歳未満閲覧禁止)ネタから。

 

 

 私は遅かったのでそれほど苦労はしなかったが、流石に最近は早朝の薄暗い渓流で毛バリのアイにハリスを通すのがキツくなってきた。


 そう、老眼の話だ。

 


 毛バリを巻く時には、40年近い経験から心眼で見ながら巻くことができるので(笑)、老眼鏡を使うことはほとんどないが、釣りの前のハリス通しはもどかしくて仕方がない。

 


 潔く老眼鏡を使えばよいのだけれど、とにかく鬱陶しくて嫌いなのだ。


 そこで今、最も重宝している『自作のアイ』。

 


 アイ付きのフライやテンカラのハリの種類に比べたら圧倒的に数が多いエサ釣りのハリなら、重さもサイズもデザインも選びたい放題だ。

 


 最近の毛バリの教室でも、一二を争う程作り方のご質問の多い毛バリでもある。


 詳しい作り方は教室で解説します……コロナ騒ぎが落ち着いたら。


 このスタイルをメインで入渓するようになってからは、ハリス通しのストレスは解消した。


 アイを見ないでも、何となくハリスを挿していけば簡単に通る。


 あ、40才未満の方は使用禁止です。


 苦労が分からないと喜びも分からないので(笑)。

 

 

 月イチのテンカラ教室を開催して10年以上。


 その中で、参加者から本当に色々な質問を受けるが、私の場合ストレートに「こうです!」と解答を言わないように心がけている。


 別に意地が悪いわけではなく、一番楽しい部分を奪わないようにしているためだ。


 テンカラは自然と生き物相手なので、
『絶対』
という答えはない。


『こういった傾向がある』
『しかも捉え方は個人個人で違う』
というのが、長年この釣りをやっていて出た結果だ。


 ただ、わからないからお話しいただいたご質問に対し、無下に「知らない」と言うのは気の毒なので、どうしたらその答えを導き出せるかを丁寧にお話ししている。


 とにかくこの釣りの醍醐味というか楽しさは、自分でやってみて(たとえ多少のズレはあっても)

「これか〜、こうだったのか〜」
と自分なりに答えを見つけた時だと思っている。


 竿、ライン、毛バリ、そして釣り方。


 自分であれこれと試行錯誤し答えを探している時が本当に楽しいと思う。


 特に毛バリに関しては、私の場合「これでいいや」ということがないため、釣り場でも定期的にローテーションしながら交換し、ヒット毛バリを見つけるようにしている。


 作シーズンから今期、特に『あの渓』の『あの魚』にかなり効果のあった毛バリを今日は数本巻いた。


 今日から私の勤める生業先でも、出勤前のスクリーニングが始まった。


 昨日は鬱陶しいコロナ騒ぎで自分のテンションが下がらないよう、散財して憂さ晴らし。


 チタンの杯で健康的な梅酒を飲み、新タマネギと長芋を酒肴にして谷のガイドブックを読んだら、気分はアゲアゲとなった。

 

 

 吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝

 30数年この釣り(毛バリ)を夢中になってやっているので、(自分なりには)少しばかりではあるが魚がこちらを向いてくれるようになってきた。
 

 毛バリについても試行錯誤の毎日で、作っては試し作っては試しを繰り返している。

 


 ハリの形状、重さ、強度、マテリアルの材質、巻き方はいうに及ばず、かなり色々と試している。


 ハイシーズンに誰も人の入らない源流にいけば、それほどテクニカルなことをしなくても魚は釣れるが、水位や水温、水の色の急激な変化、寒い季節や理由は不明な魚の気分によっては、自分の持っている引き出しを総動員しないと結果に繋がらない時もある。


 そんなよくない条件の時、『これだ!』とぴったりハマり、魚が釣れる答えを導き出せると、とても嬉しくなるが、わかってしまう寂しさも感じてしまう。


 答えは求めている時が一番楽しい。


 ということで、次回の釣行のために今宵も毛バリを巻いた。

 


 

 ん〜、今日の釣りの結果から、次の釣りをアレコレと妄想し、新たな毛バリを巻くのは本当に楽しい。

 

 やっぱり私は探求している時が一番好きだ。

 

吉田毛鉤 テンカラインストラクター 吉田孝